阪神 佐藤輝のポスティングでのメジャー挑戦容認 18日に伝えられ「心から感謝」 嶌村球団本部長「挑戦を後押し、必要な決断を」
阪神は19日、このオフに佐藤輝明内野手(27)のポスティングシステムによる米大リーグへの移籍を容認したと発表した。2年前から球団に思いを伝え、球界屈指の強打者に成長した。幼少期から憧れたMLBの舞台へ、球団が背中を押してくれた。11月1日から申請手続きが始まり、今後は「日米間選手契約に関する協定」にのっとり、申請の手続きを進める。期限は12月15日が締め切りとなっている。
幼少期から夢見た憧れの舞台に、また一歩近づいた。佐藤輝は球団からポスティングシステムによる、米大リーグ移籍を容認された。18日に伝えられ、「ありがとうございます」と感謝。6年間で3度のリーグ優勝に貢献した功績が、球団野手初のポスティング容認を後押しした。
「このたび、自分の思いを尊重していただいた球団に、感謝しています。タイガースでプレーする中で、チームメートと過ごした日々は本当に楽しかったですし、ファンの皆さまの温かいご声援にも心から感謝しています。これからも応援よろしくお願いします」
球団へ正式に思いを伝えたのは、24年のオフだった。ただ、メジャーを好きになったのは野球を始めたばかりのこと。テレビに映るイチローの姿を目に焼きつけ、何人ものスーパースターをまねした。
夢が現実になったのは昨年からだろう。25年3月、東京ドームでドジャースとのプレシーズンゲームでスネルから本塁打を放った。この年、自身初の40発を記録し、打点との二冠も獲得。進化するために米国でトレーニングを行うなどの努力が実を結んだ。
そして、今年は日の丸を背負った。初めて味わう、本場・アメリカでのベースボール。マイアミ入りした後は、ローンデポ・パークでベネズエラとドミニカ共和国の試合を視察した。「盛り上がりがすごいですね。楽しかったです」と野球への熱量を肌で感じ、ビールを片手に一ファンとして興奮した。
準々決勝でベネズエラに敗れはしたが、適時二塁打もマーク。世界にSATOの名を知らしめ、6年目のレギュラーシーズンに突入した。今季は打率・306、39本塁打、106打点で史上9人目の三冠王。スタンドにはMLB球団の幹部クラスが足を運び、注目の的になっていた。
嶌村球団本部長は「私どもは佐藤輝明くんの挑戦を後押しし、彼の新たなキャリアを築くために必要な決断をさせていただいた」と快く送り出すことを決めた。不可能を可能にした男へ、最大限の評価だ。MLBの現行の労使協定は12月1日(日本時間2日)に失効される。移籍への準備期間を長くし、労使交渉の影響を受けなくてすむようにという球団側の配慮ともいえる。
虎の佐藤輝が世界のSATOになろうとしている。輝かしい成績で、虎の未来を明るくした。海を渡っても、阪神の誇りであることに変わりはない。
◆佐藤 輝明(さとう・てるあき)1999年3月13日生まれ、27歳。兵庫県出身。187センチ、96キロ。右投げ左打ち。仁川学院、近大を経て、20年度ドラフト1位で阪神入団。5年目の昨季は40本塁打、102打点で2冠を獲得するなどMVPの活躍でチームのリーグ優勝に貢献。さらに今季は打率・306、39本塁打、106打点の三冠王でリーグ連覇へ牽引(けんいん)した。26年WBC日本代表。
◆ポスティングシステム 日本プロ野球から海外FA権を取得する前に米大リーグに移籍する制度。申請期間は11月1日から12月15日。申請手続き後、メジャー30球団に契約可能選手として通知される。交渉期間は45日間。日本球団への譲渡金は選手が契約で保証される額により変動する。メジャー契約の場合、保証額のうち2500万ドルまでの部分の20%、2500万ドルを超えて5000万ドルまでの部分の17.5%、5000万ドルを超えた額の15%の合計となる。契約期間内に獲得した出来高払いの額からは15%が追加で支払われる。米大リーグ機構(MLB)と大リーグ選手会との現行の労使協定は米国時間12月1日で失効。新労使協定締結への交渉が長期化すれば移籍市場が停滞し、契約合意に大きく影響する。
