阪神・藤川監督 監督業は「農業に似ているね」 「自分がどう作り上げるかなんですよね、チームも、野菜も。時間がかかることが大事」

 「阪神0-4ヤクルト」(8日、甲子園球場)

 阪神は今季最終戦に敗れて79勝62敗2分けでレギュラーシーズンの全日程を終えた。巨人とのマッチレースを制して球団史上初のリーグ連覇を達成。試合後のセレモニーでは藤川球児監督がファンの前で「長いペナントレース、多大なるご声援ありがとうございました」と感謝した上で「いよいよ最後の大勝負が始まります。最後まで応援よろしくお願いします!」と挨拶すると球児コールが巻き起こった。

  ◇  ◇

 激動のレギュラーシーズンも最終戦を迎えた。桜満開の春から、夏の暑さを耐え、中秋の夜風が優しく頬をなでる。四季を肌で感じながら戦った143試合を、藤川監督は「22年の現役生活と同じくらいだった」と表現した。その思いが優勝決定時、「苦しかった」の言葉になったのだろう。

 2リーグ制導入後、球団史上初のリーグ連覇を成し遂げ、個人では佐藤輝の三冠王を筆頭に森下、高橋が初のタイトルを獲得。村上が最優秀防御率、才木が最多奪三振と、主要タイトルを独占した。「和田ヘッドも藤本総合コーチも、平田2軍監督も、オールタイガースで泥くさく勝つことができた」と感謝を語る。

 可能性の種をまき、選手を育て、勝つチームを作る。そんな監督業は「農業に似ているね」と笑う。義母に影響を受け農作業を経験した。「毎年、表情を変えるんですよね」。1年ごとに収穫時期が訪れ、形や味は一つとして同じものはない。そんな日々に答えもない。

 「時間がかかるんですよ。自分がどう作り上げるかなんですよね、チームも、野菜も。時間がかかることが大事。やっぱりよく似ていますよね」

 リーグ連覇を成し、恩師・野村克也氏の言葉を思い返す。「よく叱られましたけどね、いまだに生きていますよね。長所を伸ばす指導と、短所を指摘する指導。人を遺(のこ)すと、聞いておいてよかったなと」。修羅の道を駆け抜けた先にあった新たな景色。5年、10年先の常勝タイガースを夢に見る。(デイリースポーツ・田中政行)

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