糸井嘉男氏 阪神・工藤は超人ストッパーになれる「ヒントはミリタリープレスにある」連覇へ一番の注目
阪神、オリックス、日本ハムで活躍し、今春の阪神キャンプで臨時コーチも務めたデイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(45)の「超人目線」。優勝マジックも点灯し「幸せを感じながらプレーを」とエール。残り26試合のキーマンに「森下、佐藤、高橋、村上」と主力を挙げた上で、あらためて工藤がカギを握ると断言。「ヒントはミリタリープレスにある」と、マッスルストレートを解説し、超人ストッパーの誕生に期待を寄せていた。
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ヒントは「ミリタリープレス」にあるんです。
え、なんのことか?って。まずは、8月の阪神を振り返りましょう。長期ロードがあった中、16勝9敗と勝ち越して首位。2位・巨人には4・5ゲームまで差を広げました。甲子園球場に戻って行われた伝統の一戦。前カードの3連戦は、本当にしびれる戦いでした。
しっかりとチームで、阪神タイガースの全員で戦って、いい野球ができていると思います。藤川監督も言われているように、束になって戦っていけるチーム。一人、一人に役割があって、みんなで勝ちきる。8月19日のヤクルト戦(京セラ)。岩崎投手が4四球で降板した後、監督のコメントが印象的でした。
「タイガースの場合は個で見るということをしていません。チームを全体で見ながら一緒に戦っています。素晴らしい仕事を中でやってくれていますし。個に責任は全くないと思っていますね」
打たれた選手を監督が毅然(きぜん)とフォローする。このチームには監督と選手に信頼関係があるのだと、コメントだけでも感じ取ることができます。常に全員を見渡していて采配をされているし、懐が深い。球団史上初のリーグ連覇を狙うシーズンも終盤に来て、いい雰囲気で戦うことができていると思います。
4・5差まで広がりましたが、まだ安心できる数字ではありません。私の経験で言えば日本ハムに在籍した2012年、2位・西武と3ゲーム差で優勝しました。最後までどうなるか分かりませんでしたが、僕もまだ若かったですから毎日が楽しかった。当然、重圧もありましたけど、注目されている中で試合ができる喜びがありました。
現役を引退したいま振り返っても、なかなか味わえる機会ではありません。かけがえのない時間。ヒリヒリする毎日が自分を成長させてくれる。いま戦っている若い選手には、喜びを感じながらグラウンドに立ってほしいです。ましてや前年度の王者。最後まで分からない戦いをしっかりと味わって、勝ち切れるチームだと確信しています。
ここまでくれば、カギを握るのは主力の活躍。高橋選手、村上選手、森下選手、そして輝。今シーズン、ここまでチームを引っ張ってきた選手たちが、最後まで活躍して勝ち切ってほしい。4人に加えて、僕が一番注目しているのが工藤選手です。彼は世界のストッパーになる可能性がある。
活躍のヒントになっているのが「ミリタリープレス」。主に肩や腕、体幹を鍛えるトレーニングのことで、彼のマッスルストレートを支えています。いま最速163キロですか。「超人ストッパー」への道が見えますね。現役時代の藤川監督がそうだったように、絶対的な抑えになれる可能性がある選手。楽しみです。
さて、シーズンは残り26試合。ゴールテープも見えてきましたが、9月は23試合の過密日程です。ただ、そのうち15試合を本拠地・甲子園球場で戦えるのは、選手にとってはこれ以上ない喜びがありますね。連戦は続きますが、乗り越えることができるチームです。それだけの力があります。日本一…いや、世界一のファンの前で、えぇとこ見せてあげてください。
