阪神・藤川監督「ベストゲーム」逆転勝ち 大山死球でベンチ飛び出し一触即発も「野球界をいかに長く残していけるかが問われている」

 「広島2-4阪神」(19日、マツダスタジアム)

 コーチの制止を振り払うように、阪神・藤川監督が真っ先にベンチを出た。うずくまる大山。打席に急ぎながら、鬼の形相で広島ベンチを見た。新井監督の謝罪に最後は輪の真ん中で、両軍ナインをなだめるように怒りを鎮めた。最前線で勝利に導いた闘将は試合後、興奮冷めやらぬ表情で言った。

 「自分の中ではベストゲームかなと思いますね」。グラウンドで感じた連覇への分岐点。選手、コーチ、スタッフ…チーム全員の気迫に確かな手応えが残る。そんな八回の攻撃だった。1点を追う七回に主将・坂本が同点アーチ。迎えたこの回、2死から中野、森下の連打で一、三塁をつくる。

 「中野もコンディション(不良が)がある中で守備もそうだし、走塁もね。本当に紙一重、ギリギリのプレーがつながって、苦しいゲームが取れた。結束力をここで発揮できたと思いますよね」

 最後は4番・佐藤輝のバットで決めた一戦。最後は勝ち切ったが、激闘の3連戦だった。17日の初戦、前川が背中に死球を受けて右肩甲骨を骨折。前日18日は佐藤輝がハーンから胸元にブラッシュボールを受けた。生死を懸けた真剣勝負は理解するが、その先に野球人としての思いがあった。

 「本当のことを言うとね」。試合後、感情を前面に出した理由を明かした。「野球界をいかに長く残していけるかというのが今、一番問われている。グラウンドを離れたらみんな気持ちを新たに、前向きに進むというのが野球の素晴らしさですから」。真剣勝負の先にある魅力を届けたい。だからこそ熱く、激しく戦う。チームの総意を体現した1勝。「7・19」がターニングポイントになる。

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