阪神・石井 おかえり1回0封!342日ぶり復活4万人超虎党大歓声「本当に力になりました」51試合連続無失点
「阪神2-3DeNA」(5日、甲子園球場)
おかえりなさい-。拍手と声援が甲子園を包む。みんなが待っていた。アキレス腱断裂から復帰の阪神・石井大智投手(29)が342日ぶりの1軍公式戦登板を果たすと、八回の1イニングをゼロに封じ、昨シーズンから51試合連続で無失点となった。試合には敗れたものの、悪夢を乗り越えた不屈の右腕が、連覇に向けて力強くチームを支えていく。
八回、石井を乗せたリリーフカーが登場すると右翼スタンドを起点に場内全体にどよめきが広がった。名前がコールされると、虎党のボルテージが一気に跳ね上がる。342日ぶりとなる1軍のマウンドに背番号69が帰ってきた。
「無事に登板を終わることができて、健康に帰って来られた。すごい歓声をいただいたんで本当に力になりました」
先頭・牧への1球目、見逃しでストライクを取ると虎党が沸いた。四球と安打で1死一、二塁を招いたが、宮崎をスライダーで見逃し三振、蝦名を中飛に打ち取って1回1安打無失点。「1点差で石橋をたたきまくって、もう壊れるぐらいにたたきながら行ったんですけどなんとか無失点で帰ってこれてよかった」と胸をなで下ろした。
昨季は50試合連続無失点の日本記録を樹立。初のタイトル獲得、WBC日本代表選出、2026年に向けて意気込む目は輝いていた。さらなる飛躍に向けて充実したオフを過ごした中、起こった悲劇。2月11日、春季キャンプ中の紅白戦で左アキレス腱を断裂。「パフォーマンスを出すために準備してきたものが一瞬で崩れ去った」と現実を受け入れるのにも時間がかかった。
選手生命すら危ぶまれた大けが。出口の見えないトンネルで必死にもがいた。アキレス腱のリハビリ過程を調べることから始まり、まずは元の動きを取り戻す道筋を探る作業に徹した。ただ、以前の姿に戻るだけでは納得いかない。「同じパフォーマンスで戻りたくないという考えはある」と進化した姿で帰還すべく、心を奮い立たせた。
「この期間を今の意味あるものにするのは自分次第。いろんな感情と戦っていますけど自分がやることをやる」。2・11から1軍マウンドに上がるまで206日。自らを見つめ直すには十分な時間だった。代名詞の筋トレで培った栄養知識はけがの治癒に生かし、球速をさらに上げるためのトレーニングを頭に巡らせる。体は思うように動かせずとも、進化の糧を積み上げて復帰への道のりを歩んだ。
石井のシーズンがやっと開幕した。「ベストを尽くして後悔なく頑張るだけ。1軍で投げられることがすごく僕らにとっては幸せなんで」。昨季に続き、これで51試合連続無失点。帰ってきた“ミスターゼロ”が連覇へのラストピースとなる。(北村孝紀)
◆おかえり!石井!! 石井の1軍公式戦登板は2025年9月28日・中日戦(甲子園)以来、342日ぶり。ポストシーズンを含めればソフトバンクと激突した同年10月30日の日本シリーズ第5戦以来、310日ぶり。
◆51戦連続無失点や! 2025年4月5日・巨人戦から続く石井の連続試合無失点記録は、この日のDeNA戦で51試合に。石井は昨季世界記録かつNPB記録となるシーズン50試合連続無失点を樹立していた。昨年の日本シリーズ第5戦で2失点したものの1軍公式戦マウンドでは無失点継続となった。
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