阪神・中川 高卒4年目1軍定着の裏側 打撃改革で成長中 強く振りながらの広角意識→対左腕打率・308 

 高卒4年目で1軍に定着しつつある阪神・中川勇斗捕手(21)は、左投手に対して打率・308を記録。持ち味を武器に左翼のレギュラー奪取へ挑んでいる。打撃改革にも手応えを感じており、ポストシーズンでも活躍を狙う。

 中川は今季、主に相手投手が左腕の時に起用されている。対戦成績は右投手が14打数2安打で打率・143だが、左投手は39打数12安打で同・308。8月7日に放ったプロ初ホームランは、中日のドラ1左腕・金丸から。3日の2号ソロも中日・大野から放ったものだった。

 直近で手応えのある試合があった。17日の広島戦(マツダ)。好投手の床田から内角のカットボールを引きつけて右前に運んだ。「床田さんは球種も多いので、考えすぎずにいった」。翌18日にも左腕の高から、直球に詰まりながらも、中前へはじき返すヒットが出た。この2試合で連続マルチ安打と、左腕への強さを見せつけた。

 ファームで過ごした時間が結果につながっている。今季は4月29日に1軍昇格を果たしたが、5月21日に降格。そこから2軍での2カ月間、打撃を見直した。フルスイングが特徴ではあるが、「引っ張りにかかりすぎている」と2軍コーチ陣から指摘を受けた。そこで強く振りながらも、広角に打てるよう意識してバットを振り込んだ。

 広島戦での安打は、春先にはなかった形と本人も自覚する。「(右に)打とうとしているわけではないけど、勝手にいい方向に飛んでいく。身についてきているのかなと思う」と手応えを口にした。「素直に出せるように」と、現在はバットを少し肩にかつぐようなフォームに変更するなど、試行錯誤は続けている。

 少ない出場機会の中でも確実に成長している。「最初に上がった時より、ピッチャーに対するアプローチの仕方は、だいぶまとまってきた」と、うなずく。一方で課題もある。打点はソロ2本による2打点だけ。「得点圏で打ててないので」と悔しさを持っている。

 今季から打力を生かすため、本格的に外野に挑戦。「まだまだ。もっと練習しないといけない」と話すが、日々上達している。1学年上の高寺、同学年の前川と左翼を競うが「人は関係ないです。自分のことをやるだけ」と表情を引き締めた。

 ポストシーズンではラッキーボーイ的な存在になる可能性も十分に秘めている。「チームにとっていい存在になれれば」と力を込める。与えられた場所で力を発揮し、チャンスを勝ち取っていく。(デイリースポーツ阪神担当・滋野航太)

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