当たり前のプレーを当たり前にできるのが阪神 他チームとの差はそこにある~藤田平のタイガース評

 「阪神2-0広島」(7日、甲子園球場)

 阪神が広島を破り、2年ぶり7度目のリーグ優勝を決めた。1990年に優勝した巨人の9月8日を上回るNPB史上最速V。阪神OBでデイリースポーツ評論家の藤田平氏は、今年のタイガースの強さを「当たり前のことを当たり前にできるチーム」と語り、「スキがない」と讃えた。

 ◇ ◇

 優勝を決めたこの試合もまた阪神らしい手堅い投手リレーでの勝利だった。才木が危険球退場するハプニングも問題にしないほど。先発、救援ともに豊富で強力な投手陣だった。この自慢の投手力が安定した攻撃力を生んだと言える。

 (試合は先発した才木が五回、先頭打者の石原に対する頭部への死球で危険球退場。急きょリリーフした湯浅から桐敷-及川-石井-岩崎へとバトンをつなぎ、完封勝利を収めた)

 阪神はチームとしての四球数も盗塁数もリーグトップ。送りバントなども使って確実に走者を進め、たとえヒットなしでも得点するという試合運びが自然とできるようになっている。

 きっちりした基本通りの野球だ。当たり前のプレーを当たり前にできるということ。他チームとの差はそこにあるように思う。

 多くの選手やコーチらは2年前の優勝、日本一で「勝つ味」を知ったのではないか。勝ち方を覚えたというか。昨年は連覇を逃したが、今年はスキが見当たらなかった。出来上がった熟したチームという印象だ。

 シーズンを通して働くための体力もついてきたように感じる。選手個々がしっかり体を作り、体調管理には首脳陣も神経を使っていた。主力選手を中心にケガ人がほとんど出なかったのは非常に大きい。

 残念ながら巨人以下の球団はケガ人に悩まされていた。試合運びの上でも阪神の投手力の強さが攻守の焦りを呼び、勝手に“こける”という展開がよく見られた。これも今年の特徴的な現象だった。

 阪神のリーグ優勝にはOBとしても心から拍手を送りたい。そしてこの圧倒的な戦力を駆使し、ぜひポストシーズンも戦い抜いてほしい。

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