ぶっちぎり優勝の阪神に「この強さはしばらく続く」 佐藤義則氏が黄金時代を到来を予測
デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏が2年ぶり7度目のリーグ優勝を果たした阪神の勝因について語った。投手陣では石井、及川のリリーフ2投手の奮闘に賛辞を贈るとともに、「この強さはしばらく続くんじゃないか」と、黄金時代の到来を予測した。
◇ ◇
2位以下を大きく引き離しての優勝。強かったのは間違いないけど、めちゃくちゃ強かったかというと、そんな感じもしなかった。打ち勝っての勝利というのがそんなにあったわけでもなく、どちらかというと1、2点のリードを投手陣が守り切った試合の方が多かった。阪神が強かったというよりは、むしろ他の5球団が不甲斐なかったという印象の方が強い。
攻撃でいえば、ワンチャンスをものにしたり、四球や失策など相手のミスにつけ込んでの得点が目についた。選手個々が高い集中力を保ち、ここぞという場面で一気にたたみかける勝負強さがあった。1番・近本、2番・中野でチャンスをつくり、3、4、5番の中軸で得点を奪うパターンが確立していた。その結果が佐藤輝、森下、大山の打点部門の上位独占。球団別でも四球1位、盗塁1位、犠打も1位。さらに守りの面でもチーム防御率1位、失策数もリーグ最少。このデータを見れば、優勝したのも当然といえば当然といえる。
投手陣も素晴らしかった。特に前半戦はチーム防御率が2点を切って1点台だった。普通じゃありえないぐらいすごい数字だ。先発もリリーフも駒がそろっていた。これだけ豊富にメンバーがいるのに、さらにシーズン途中にドリス、ハートウィグの外国人2投手を補強した。さすがに「もういらないだろう」って思ったけどね。
そんな中で特に名前を挙げるとすれば、リリーフ陣を支えた石井と及川の左右の両輪だ。2人のすごいところは、残してきた数字はもちろんだけど、イニングの頭からだけでなく、イニングの途中、ピンチの場面でも出番があったことだ。高い制球力、そして空振りを取れる速い球を持っているからこそ、走者がいる場面でも起用された。投手陣に関しては、この二人がいたおかげで優勝できたといってもいい。
チームは史上最速となる9月7日にリーグ優勝を達成。今後は1カ月先のCSを見据えた戦いになってくるが、最も気をつけなければいけないのがケガ。阪神はタイトル争いに絡んでいる選手も多いので、個々の数字を上げていく上でも、最後までいい緊張感を持ってプレーしてほしい。
大事なところで1本が出る。大事なところでしっかり抑えられる。大事なところでファインプレーが出る。そういう勝負強さが光った今季の阪神だったが、この強さはしばらく続くんじゃないかな。投打とも主力選手の多くは30歳前後から下の世代。今が一番、脂がのっている状態だ。
関連ニュース





