阪神・早川 初星の裏に遥人&西勇から気付き 再現性高いキャッチボールの重要性→実践で自信「割り切り」可能に

 阪神・早川太貴投手(25)が8月27日のDeNA戦(横浜)でプロ初先発初勝利を挙げた。24年度育成ドラフト3位で入団し、7月13日に支配下契約を勝ち取ると、同16日・中日戦でプロ初登板。ルーキーイヤーは着実にステップアップしてきた。そして、シーズン終盤につかんだ1勝目。右腕の心の成長とは-。

  ◇  ◇

 8月27日のDeNA戦。早川は大粒の汗をかきながら、5回を2安打無失点と強力打線を封じ込んだ。育成出身では球団史上初のプロ初先発初勝利。支配下契約を結んでから約1カ月半後につかんだ白星だった。

 プロ入り後、メンタル面での成長が結果につながった。昨季はくふうハヤテでプレー。25試合で4勝7敗、防御率3・22だった。中継ぎと先発のどちらも経験があり、プロに入っても調整方法などに苦しむことはなかった。ただ、なぜ自分が育成選手なのか、その理由と向き合った。

 「メンタル的なところが、いい時と悪い時の差が激しかった。抑える時は抑えるけど、打たれたら止まらないとか、安定感のなさが(背番号)3桁の理由なのかな」

 抑えた次の登板は、続けて好投しようとした結果、「自分の中で良くない方のプレッシャーになっていた」とコースを狙いすぎて制球が定まらなくなる。「あと何回抑えたら防御率が2点台になる」と数字を気にして、打者との対戦に集中できずに打たれることが多かったという。

 そんな中、経験豊富な2人から学ぶことがあった。高橋や西勇とキャッチボールを行った際に「球質とかコントロールが一定。同じいい強さで同じ所に球が来る」と制球や球の強さを意識するきっかけとなった。キャッチボールが安定したことが自信につながり、登板を重ねることで「割り切って」試合に臨むことができるようになった。

 プロ初登板は7月16日の中日戦(甲子園)。九回2死一、三塁からマウンドに上がり、投手の高橋宏と対戦時にボークで点を与えた。

 悔しい経験も意識が変わるきっかけとなった。同戦は支配下契約から3日後の登板。「打たれたらどうしようとか、不安なままマウンドに上がった」とネガティブ思考だったことを反省し、プロ2度目の登板となった8月27日のDeNA戦に生かした。「真っすぐのスピードも全然出ていなかったけど、できることをやろう」。“失敗”があったからこそ、強気でマウンドに上がれた。

 現状では技術面での課題ももちろんある。1軍の主力投手はブルペンでも質と制球力が抜群。早川は「一球一球の再現性がまだまだ足りない」とブルペンでの意識も高めて練習に励んでいる。「経験のままで終わらせないで、今後に生かしてチームに貢献できるように」。自身の歩幅で1軍定着を目指す。(デイリースポーツ・和泉玲香)

 ◆早川 太貴(はやかわ・だいき) 1999年12月18日生まれ、25歳。北海道出身。185センチ、95キロ。右投げ右打ち。投手。北海道大麻高、小樽商大、ウイン北広島、くふうハヤテを経て、24年度育成ドラフト3位で阪神入団。25年7月に支配下選手契約。プロ初登板は同年7月16日・中日戦(甲子園)でリリーフ。1軍初先発の8月27日・DeNA戦(横浜)で初勝利を挙げた。

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