阪神・石井38戦連続0封 「雲の上の存在」憧れ球児監督に並んだ 日本記録あと1「次、取られそうで怖い」

 「阪神6-2ヤクルト」(9日、京セラドーム大阪)

 偉大なレジェンドに肩を並べた。阪神・石井大智投手(28)が九回を三者凡退に抑えて連続試合無失点を38に伸ばし、現監督の藤川球児(阪神)が2006年に樹立したセ・リーグ記録に並んだ。石井らリリーフ陣の踏ん張りで逆転勝ちを収め、連敗を2でストップ。優勝マジックは1つ減って、「30」となった。防御率0・22と安定感抜群の右腕がいる限り、藤川阪神のVは揺るがない。

 最後のアウトを取った石井は、いつも通り表情を変えず仲間とハイタッチを交わした。セ・リーグ記録の38試合連続無失点。尊敬する藤川監督に肩を並べたが「恐れ多い。大変恐縮です」と、お立ち台でファンを笑わせた。

 6-2と4点リードで迎えた九回、石井の名前がコールされるとスタンドが沸いた。歓声の大きさが記録への期待感を物語っていた。独特の緊張感もあったが、右腕は「いつも通り」と何も気にせずマウンドに上がっていた。先頭の山田を3球三振で1アウト。続く中村悠は三ゴロ。最後は代打の宮本を152キロの直球で見逃し三振に仕留め、ゲームセット。危なげなく締めくくった。

 ここまでゼロを並べ続けた右腕。その裏には入念な準備がある。調子の良しあしなど関係なく、出番が回ってくるのが中継ぎ。どちらかというと「悪い日の方が多い」と話すように難しいポジションだ。

 悪くても抑えるために大切にしているのが、試合前練習のキャッチボール。そこで感覚を確かめる。グラウンドを後にすると、クラブハウスに戻り、状態に合わせたエクササイズを行う。試合でベストに近いパフォーマンスを出せるよう、その日の最高の準備を進めているのだ。

 憧れの人に手が届いた。5年前の入団会見で、目標に掲げたのが藤川監督だった。「子どもの時はテレビの奥の方。雲の上の存在でした。今、一緒に野球をしているのが不思議というか、こういう人生もあるんだなって」と感慨深そうに話す。

 監督と選手という立場で、同じユニホームに袖を通した今季。練習中やバッテリーミーティングで、よく声をかけられるという。「技術的なところ、それ以外の気持ちの部分とかを惜しみなく教えてくれる。それを生かせて今の数字があるので、本当に感謝しかない」。記録に並ぶことが恩返しになっているはずだ。

 これで、西武・平良が21年に記録したプロ野球記録の39試合連続無失点まであと1試合とした。その話題には「次、(点を)取られそうで怖いです」と冗談も入れつつ笑顔を見せた。

 「毎日変わらずいつもの準備していきたい」。いつも通り、目の前の試合に全力で臨むのが石井。その先に新たな大記録が待っている。

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