阪神 ベテランが導いた2戦連続1-0完封 サヨナラ呼んだ糸原 1回0封の岩貞 梅野が投手陣好リード

 11回、サヨナラ勝ちに歓喜する糸原(左)=27日
 最後を締め、梅野とがっちり握手する岩崎(28日)
2枚

 阪神が5月27、28日のDeNA戦(倉敷、甲子園)で2試合連続「1-0」の完封勝利を収めた。梅野隆太郎捕手(33)は両日とも先発マスクをかぶり、投手陣を好リード。糸原健斗内野手(32)は27日の延長十一回に代打安打を放ち、今季初サヨナラ勝ちに貢献した。同日は岩貞祐太投手(33)が2勝目をマーク。若いチームの中で、数少ない“ベテラン勢”がいぶし銀の働きを見せている。

 28日はDeNA打線に6度先頭の出塁を許し、三塁まで4度も進められた。13残塁は拙攻だけでなく、梅野が必死に本塁死守した証しでもある。「2試合連続1-0はなかなかない。うれしいですね」。苦心した分だけ喜びはひとしおだ。言葉に達成感がこもった。

 試合前から「ケイは防御率1点台。1点もあげられない」というプレッシャーがあった。それを裏付けるように、ポイントに挙げたのは二回。2死三塁から山本を敬遠気味に歩かせ、続く柴田も厳しいコースを攻めた末に四球を与えて2死満塁からケイを二ゴロに打ち取った場面だ。「ボール球を使いながら。ケイに打たれたら仕方ない。悔いが残らないように」。強い覚悟が2試合連続の完封勝利につながった。

 プロ12年目。体はキレキレだ。春季キャンプ初日のシートノックでは、二塁への矢のような送球で状態の良さをうかがわせた。「体が動くのが一番」。今季は先発マスクを譲る試合が少なくない。それでも出番が訪れると仕事を果たす。一線を張り続ける男の意地がプレーから伝わってくる。

 その前夜、サヨナラのお膳立てをした糸原の存在感も高まってきた。延長十一回に先頭の代打で中前打。森下の押し出し四球を呼び込んだ。「いつも通り準備をして、腹をくくっていくだけ」。お立ち台の言葉に生きざまがにじみ出た。打率・250だが不運な外野ゴロが2本あり、安打になっていれば打率・333に跳ね上がる。打率1割台だった頃も「見栄えが違う?そうなんだよ~」と冗談交じりに笑い飛ばした。恨み節はない。激しい競争にさらされても立ち位置は揺るがない。

 同じ試合では岩貞も復調を印象づけた。延長十一回を無失点に抑え、2勝目。24日・中日戦でも2イニングをピシャリ。「まだまだですよ」とニヤリとしながらも配球面にも工夫を凝らしているという。期する思いは強いはずだ。昨季は2試合の登板に終わり、今春はベンチ入りメンバーを外れることも少なくなかった。ようやく居場所を取り戻しつつある。

 今季は1、2軍の入れ替えが活発で、実績組も例外ではない。しびれる場面でこそ修羅場をくぐり抜けてきた経験が生きる。何よりも結果が存在価値を物語っている。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス