阪神・中野 恩返し 山形で阪神戦熱望 地元のため子どもたちのため野球の魅力伝えたい

 山形県スポーツ栄光賞授与式に参加し、吉村美栄子県知事(右)から贈呈品を受け取る中野
 山形県スポーツ栄光賞授与式で山形県庁を訪れ、花束を受け取る中野
 試合終了後ファンがグラウンドに乱入、帽子を奪い返す松永(左から2人目)=1993年5月29日
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 阪神の中野拓夢内野手(27)が4日、山形県庁で「山形県スポーツ栄光賞授与式」に出席した。プロ野球選手が同賞を受賞するのは初めて。職員や県民ら約100人に出迎えられた中野は、自身や阪神のファンが増加していることを実感。生まれ育った地元へ恩返しをするため、山形県での阪神主催試合の開催を熱望した。

 「阪神はなかなか山形で試合をすることはないんですけど」。その言葉通り、1950年の2リーグ分立後、山形県で阪神が1軍公式戦を行ったのは、1993年5月29日・広島戦の1度だけ。桧山がプロ初本塁打を放つなど、6対5で勝利したが、広島主催の一戦だった。

 今季も阪神主催の地方ゲームは岡山・倉敷だけ。「地元で野球ができれば自分自身もうれしいですし、見に来ていただける方も増える。できればいいかなと思ってます」。来年以降に実現となれば、さらなる中野フィーバーとなりそうだ。

 山形県ではプロ野球開催自体が少なく、テレビ放送も決して多くはない。県民出身の野球選手も限られている。「地元のためにってことを考えていきながら、今後は何かをしていきたいなと思っています」。まずは野球教室から始め、将来的には「中野杯」の試合開催など野球振興にも力を入れていく。

 自身の幼少期にはプロ野球選手と触れ合える機会がなかった。「子どもの頃に感じられなかった部分を、今度は自分が子どもたちに伝えていける立場になる。やってあげていけたら」。WBCで世界一、阪神で日本一となり、山形の星となった。第2の中野を輩出するため、地元に野球の魅力を届け続ける。

 ◆阪神の山形県野球場での試合 過去1試合。1993年5月29日、広島との東北シリーズ(翌日は福島)の初戦。オマリーが先制3ランも中込が逆転を許す苦しい展開。四回に桧山がプロ1号の同点ソロを放ち、6-5で逆転勝利。試合後には当時問題視されていた“虎フーリガン”がグラウンドへなだれ込み、新庄、松永らの帽子を奪い、発煙筒を投げつけるなど大暴れする場面も。なお1949年5月8日には現在閉鎖されている山形市営球場で大映対阪神が公式戦初開催されている。

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