阪神・湯浅 魂の1球火消し!3-3八回大ピンチで6・15以来の登板 岡田マジック「ここは湯浅に懸けるしかない」
「SMBC日本シリーズ2023、阪神タイガース4-3オリックス・バファローズ」(1日、甲子園球場)
アツアツの男が帰ってきた!阪神・湯浅京己投手(24)が同点の八回2死一、三塁の場面で登場。1球で中川圭を打ち取り、ピンチを脱した。6月15日のオリックス戦(甲子園)で2本塁打を浴びて救援に失敗、2軍落ちして以来の1軍マウンド。因縁のチーム相手に同じ甲子園で復帰登板を飾り、虎党も大歓声で祝福した。
一瞬の静寂から、大歓声へと変わった。「ピッチャー・湯浅」。場内アナウンスがコールされると、虎党がほとんどを埋め尽くした聖地がどよめき、揺れた。大一番での復帰登板。託された仕事をわずか1球で全うした。
「甲子園で久しぶりにこういう形で投げられて。ファンは温かいと。甲子園でしか感じられないこと。ファンの力を借りて投げられた」
注がれる拍手と歓声を全身で浴び、マウンドへと走った。任されたのは同点の八回2死一、三塁という絶体絶命のピンチ。足場を丁寧にならし、投球練習で1球を投じるごとにスタンドのボルテージも高まった。
復帰戦でもタフな仕事を完璧にこなす。中川圭へ初球、149キロ直球を投げ込んだ。詰まらせた打球は力のない二飛。右拳で渾身(こんしん)のガッツポーズを決め、火消しを成功させた。
一進一退の攻防戦。岡田監督は「ここは湯浅に懸けるしかない。湯浅が出てくるとファンの声援でね。ガラッとムードが変わると思ったんでね」と、流れを引き寄せる起爆剤の役割を右腕に求めた。“アツアツ”の1球が間違いなく流れを呼び込み、劇的サヨナラ勝ちへとつながった。
湯浅にとっては雪辱の舞台でもあった。6月15日のオリックス戦(甲子園)以来、139日ぶりとなる1軍戦登板。その一戦では1点リードの九回に守護神としてマウンドに上がるも頓宮、杉本に2被弾し逆転負けを喫した。その試合を最後に2軍行き。さらに7月末には左脇腹を痛めて1軍復帰が遠のくなど、リーグ優勝へひた走るチームの力になれなかった。
再びチームの力になるために-。直前まで宮崎でのフェニックス・リーグに参加し、調整。同リーグの休日には、宮崎神宮で手を合わせることもあった。
2軍降格を決定付けた同じ甲子園で、同じ相手に自信を取り戻した。「投げさせてもらえるのはありがたい。シーズンは力になれなかったので、日本シリーズで力になれればと準備していた」。大一番で帰還した頼もしい右腕が、頂点を目指すチームのために全力で腕を振る。
◆日本S甲子園勝利3294日ぶり! 阪神が甲子園で日本シリーズを勝利したのは2014年10月25日の第1戦以来、3294日ぶり。岡田政権では第1次を含めて聖地初星となった。
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