阪神・中野 初回先制V撃 猛追打ショーでセ界最多安打1差も「あまり意識しないように」

 「東京ヤクルトスワローズ3-9阪神タイガース」(23日、神宮球場) 

 三方向へ鮮やかに打ち分けた。阪神・中野拓夢内野手が8月16日以来となる今季9度目の猛打賞で今季156安打とし、最多安打を争うリーグトップのDeNA・牧と中日・岡林に1本差と迫った。「ヒットを意識し過ぎて最近良くなかったので、頭を切り替えて全試合フルで出ることだけを意識した」。久々の固め打ちに表情も晴れやかだった。

 初回に電光石火の先制劇を演じた。先頭の近本が四球を選ぶと、続く中野の初球で二盗に成功。中野が4球目のカーブを強く振り抜くと、一塁線を破る適時二塁打となった。試合開始からわずか5分の出来事だった。

 「近本さんを(本塁に)かえせたので良かった」。今季1、2番を組む近本とは多くを語り合った。「自分にとってもプラスになる。感じたことを言ったり『このピッチャーどうやって打ちますか』とか、お互いの考えを共有し合うようになった」。成長を促してくれた2歳上の“相棒”を本塁に迎え入れた。

 ベンチの後押しもあった。進塁打が要求される場面だったが、岡田監督は「何も(サインは)出してない。引っ張らんでええから、普通に打てでやってる」と明かした。タイトルを取らせたいという虎将の“親心”に会心の結果で応えた。

 三回には先頭で中前打を放ち、13日以来の二盗を決めた。今季19個目で「何とかいきたい」と語っていた3年連続20盗塁に王手をかけた。締めは八回。再び先頭で左前に運んだ。3度の出塁でいずれも本塁を踏んだ。

 安打数と向き合う日々を送るが「まだ試合数もある。あまり意識しないように、フルで最後まで出ることが最低条件だと思うので、そこを目指したい」とフルイニング出場へのこだわりを強調した。達成すれば阪神の二塁手では1962年の鎌田実、90年の岡田彰布に続いて3人目となる。ひんやりとした風が吹き抜け秋の訪れを感じさせた終盤戦も、中野が虎党を熱くさせる。

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