阪神・湯浅 尾鷲にドームを 地元の野球人口減少「食い止める」“湯浅杯”にも意欲

 地元の中学生たちとの交流を楽しんだ湯浅(中央)
 笑顔でトークをする湯浅=撮影・飯室逸平
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 阪神・湯浅京己投手(23)が15日、尾鷲市民文化会館で開催された尾鷲市立尾鷲&輪内中学校講演会に参加した。過疎高齢化、野球人口の減少傾向にある故郷。自身の活躍を通じて、尾鷲の活性化と野球人口減少を「食い止められる存在になる」と“ストッパー”宣言した。日本一雨の多い街として知られるが、将来的なドーム球場の建設にも興味を示し、「湯浅杯」の冠大会を開催するなどの青写真も語った。

 見渡せばコバルトブルーの海が広がり、木々が生い茂る。自然あふれる原点の地・尾鷲に湯浅が帰ってきた。「地元に帰ってきたら、良い意味で気が抜けます」。地元の星として胸を張って凱旋。母校である尾鷲中と輪内中の計345人の前で講演会を開き、熱弁をふるった。

 地元の野球人口底辺拡大に貢献したい思いがある。湯浅は小4から尾鷲少年野球団で野球を始めた。当時は1学年10人以上が在籍し、総勢60人ほどだったが、現在は全体で22人。それでも、今季の湯浅の大活躍がきっかけとなり、新たに9人が体験に来ているという。

 自分の役割の大きさを理解した湯浅は「野球人口が減ってきているのは、少年野球を見ていても感じる。少しでも食い止められる存在になりたい。やれることをやりたい」と決意。一つ構想に上がったのがドーム球場の建設だ。

 尾鷲は日本有数の多雨地帯で、昨年の年間降水量は日本最多の4486ミリ。「雨が多いのが普通だと思っていた」と生活していた中学時代までを振り返ったが「(ドームを)つくる場所はありますかね?(将来的に)できればいい」と前向きだ。

 次に挙げたのは、野球少年、少女との触れ合いだ。近年、伊勢などで開催された野球教室に参加してきたが、三重県全体での大規模開催にも意欲的。「そういう交流があればやりたい」。自身の名前がついた冠大会の開催についても「自分が頑張ることによって地元の人が盛り上がって、そういった形になることは自分にとってもうれしいこと。そうなれるように」と近い将来の実現を目指す。

 小学校の時は東京ドームで開催されたWBCを観戦し、侍戦士に憧れた。今度は尾鷲の子どもたちを250キロ近く離れた甲子園に招待し、雄姿を見せたい。「来たい子がいれば、招待とかできればいいことになるんじゃないかな~」。大切な思い出が詰まった尾鷲の人々の思いを背負い、来季は守護神として全力で腕を振る。

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