阪神・湯浅 「猛虎感動大賞奨励賞」受賞で『アレ』の誓い 「久保田さんで、金本さん」
阪神・湯浅京己投手(23)が10日、デイリースポーツ社制定「2022年猛虎感動大賞奨励賞 supported by DAZN」を受賞した。兵庫県神戸市内のデイリースポーツ本社での表彰後、充実の今季を振り返るとともに、“アレ”に向けて“アツアツ”な決意を表明。岡田監督から抑えの最有力候補に挙げられている中、胴上げ投手へ意欲を示した。
澄み切った青空の下、神戸の街並みを眺めた。改修工事のため姿を隠したポートタワーが少し寂しい景色を、来年は歓喜の色に染める。湯浅は頭の中にイメージを膨らませた。
「今(想像)しましたよ!鳥肌立つっすね。味わいたいなぁ。『アレ』したいですね」
18年ぶりとなるリーグVの瞬間、マウンドに立つのは若き守護神-。「なれるなら、なりたいでしょ(笑)」と胴上げ投手に意欲を示した。03年以来の神戸Vパレードも「やりたいですね」と笑顔。前回リーグ制覇を果たした05年は記憶にないものの「(投手が)久保田さんで、(勝利球をつかんだのが)金本さんですよね?」と阪神入団後に映像でその光景を目にしてきた。
その05年に指揮を執った岡田新監督からは抑えの最有力候補に挙げられており、可能性は十分だ。今季は主に八回を任されたが、CSファーストSでは守護神に抜てきされて“初セーブ”もマーク。「九回は最後締めたらみんなとグータッチするから、その時点で特別感はあります。CSで勝ち抜いた時、優勝した時はもっと特別な感じがあると思う」と声を弾ませる。
仮に“持ち場”が変わろうとも、考えはブレない。「優勝するために、今年と変わらず任された場面でやることをやるだけ」ときっぱり。「九回だから(難しい)って一概には言えないと思います。八回に投げても同じ結果になるかもしれない。自分の中では、あんまり関係ないんじゃないかなと思ってます」と、どんな場面でも目の前の試合、打者に集中するつもりだ。
大ブレークを果たした4年目のシーズンは59試合で2勝3敗、防御率1・09、43ホールド。45ホールドポイントを記録し、最優秀中継ぎのタイトルも獲得した。「1年間、1軍でやれたというのは来年以降の自信にもつながると思いますし、今まで経験できなかったことをできたので、すごく濃い1年だったなと思います」と充実の表情を浮かべる。
数々の厳しい場面も経験したが「プレッシャーより、『この場面を投げさせてもらってる』という感謝の方が大きいです」と右腕。高校時代やプロ入り後、何度もケガに悩まされてきた。「野球ができる喜びを1年間かみ締めながらできていたので、そういう気持ちを忘れずに来年以降もやっていきたい」。投げられるうれしさを感じ、しびれる対戦も楽しむ。その先に、悲願の頂点が見えてくる。
◆「猛虎感動大賞 supported by DAZN」 デイリースポーツが制定する、阪神で最もファンに感動を与えた選手に贈る賞。今シーズンからスポーツ・チャンネル「DAZN」が特別協賛となり、月間賞を新設した。
◇湯浅 京己(ゆあさ・あつき)1999年7月17日生まれ、23歳。三重県出身。183センチ、81キロ。右投げ右打ち。投手。聖光学院高からBCL・富山を経て、18年度ドラフト6位で阪神入団。プロ3年目の21年6月3日・オリックス戦(甲子園)で初登板(救援)。22年4月6日・DeNA戦(甲子園)で初ホールド。最優秀中継ぎ投手(22年)。
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