【金本知憲氏の眼】セ・リーグもDH制導入すればいいのでは
阪神前監督でデイリースポーツ評論家の金本知憲氏(54)が10日、私見として、パ・リーグと同様に、セ・リーグにもDH制を導入することのメリットについて言及した。世界的に見ても、DH制がスタンダードと言えるような現状があり、エンゼルス・大谷翔平投手(28)のような、さらなる“二刀流”の育成や、野球少年の可能性や夢が広がることを思っての考えとなる。
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今回は少し角度を変えて野球について触れたいと思う。一人のプロ野球OBとしての一意見だが、セ・リーグでもDH制を導入すればいいのではと考えている。大きな理由としては、エンゼルス・大谷のような“大谷2世”を、もっと日本から生み出せないだろうかということだ。
例えば、阪神の西純は投手でありながら打撃も素晴らしい。投手とは思えない構えから、変化球にもついていける技術がある。こういった選手がいる時にDHがあれば、実際にそうするかは別として“二刀流”での起用が選択肢になりえる。
これは、単にプロ野球選手の可能性だけでなく、子どもたちやアマチュア選手の夢を広げることにもつながる。肩を壊したことがある、足が遅い、けれどバッティングに優れた選手は全国にいると思う。“二刀流”での起用という意味だけでなく、そういった選手はDHで活躍できるわけで、セ・リーグにも導入されると、プロ野球に入るための枠が広がることにもなる。
また、中継ぎ投手の負担が減る部分もあるのではないだろうか。セ・リーグでは、劣勢の状況から早い段階で点を取りにいく際、先発投手に代打を送って降板させることがある。そうなると、中継ぎが早い段階から肩をつくり、登板する機会も増えてしまう。DHがあれば、そういった形での降板も無くなる。
ただ、そういった早いイニングからの仕掛けに、野球のおもしろさがあることも事実。仮にセ・リーグに導入した場合、そういった駆け引きが無くなることに寂しさもあるが、生じるメリットとデメリットを全体的に考えると、DH制の方がメリットがあるのではないだろうか。
メジャーでは今季から両リーグともDH制。WBCやオリンピックなどの国際試合も同じで、韓国や台湾でもDH制だと聞く。いよいよ日本のセ・リーグだけが採用していないリーグ、と言える状況だ。すべて右にならえという意味ではなく、先に触れた“大谷2世”の育成や野球少年の夢を考えた個人的な意見と思ってもらいたい。
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