阪神・西勇 連敗止めた!聖地で“歓封”1勝 虎党応援で「いつも出ないようなパワー出た」

 坂本(中央左)と抱き合って勝利を喜ぶ西勇(同右)=撮影・高部洋祐
 9回、勝利の瞬間、ガッツポーズで雄叫びを上げる(撮影・飯室逸平)
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 「阪神4-0DeNA」(5日、甲子園球場)

 トレードマークの笑顔が新しくなった甲子園のLEDライトに照らされる。最後の打者を一ゴロに打ち取った瞬間。阪神の先発・西勇はガッツポーズしながら飛び跳ねた。「こんだけ負けたんでね。勝つ楽しさというか」。7安打を浴びながらも粘り抜き、2年ぶりの完封勝利でチームの連敗を9で止めた。

 二回までに4点の援護を受けたが、三回以降は打線が沈黙。回を追うごとに右腕にかかる重圧は大きくなっていった。だが、点は与えない。3万人を超える虎党の応援を全身に感じて「自分のいつも出ないようなパワーが出た」と踏ん張った。

 女房役の坂本と息を合わせ、直球と変化球を絶妙な配分で投げ分けて無四球4奪三振。矢野監督は「代打を出すつもりはなかったですし、最後まで勇輝に託したい。そういう思いでした」と気迫の118球に目を細めた。

 2月1日のキャンプ初日。一番乗りでブルペンに姿を現したのは西勇だった。1月21日に新型コロナウイルスの陽性判定を受け、所定の隔離期間を終えて沖縄入りしたのが31日。調整不足で状態が不安視されたが「もともと決めていた数字」と100球を投げ込んだ。

 さらに2日目も、3日目も、ブルペンで100球を投じた。「オリックスの時も投げ込みをするタイプだったので。初心に戻るじゃないですけど」。プロ14年目の春に原点回帰。持ち前の制球力に磨きをかけ、一から戦うための体力も作った。

 昨季は持病のぜんそくや故障の影響もあり、6勝9敗に終わった。今季は4年契約の最終年。「ベテランができるのは言葉のフォロー」と言う仲間思いの31歳は、優勝を渇望している。「矢野さんに笑っていただけるような試合展開にしていきたいと思います」。桜満開の4月5日。ここから大逆襲が始まる。

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