阪神・能見 魂の最年長セーブ!今季最終戦でタテジマ最後の雄姿 聖地で締めた12球

 最後を締め、梅野(左)と喜び合う能見
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 「阪神1-0DeNA」(11日、甲子園球場)

 今季限りで阪神を退団する能見篤史投手(41)が、甲子園で行われた今季最終戦のDeNA戦でタテジマでのラストマウンドに臨んだ。1-0の九回に登板。先頭の細川に中前打を浴びたが、続くソトを併殺に打ち取るなど、試合を3人で締めた。虎一筋16年、先発、救援とフル回転した左腕がチームメートと虎党に別れを告げた。チームは60勝53敗7分けの2位で今季全日程を終了した。

 晩秋の甲子園に感傷ムードが漂った。1-0の九回、能見がリリーフカーに乗って登場すると、地鳴りのような歓声が響き渡った。マウンドで待ち受けた矢野監督からボールを受け取る。タテジマ16年目。真剣勝負でファンへ雄姿を届けた。

 出番は1点リードの最終回だ。先頭の4番・細川へ初球は148キロ。中前打を浴びたが、続くソトを遊ゴロ併殺打。柴田への3球目には今季最速149キロを計測し、「あと一球コール」の中、空振り三振に斬った。12球中、11球が直球。1回を1安打無失点の投球には現役続行への意欲がたっぷり詰まっていた。藤川の球団記録を更新する最年長セーブでタテジマ最後の登板を締めくくった。

 「16年間お世話になった球団で本当に感謝しかない。最後のマウンドは楽しめたというか、半分ドキドキしながら。まさか1-0で回ってくると思っていなかったので(笑)」

 この夜はリリーフでのセットポジションからワインドアップを解禁。「恩返しというか、代名詞と浸透しているので、何とか実現しようと思っていた」。“日本一美しい”と称されたワインドアップ。大きく振りかぶって、ファンへ感謝を示した。

  能見デー

 「11・11」は能見デーだ。練習開始前にはナイン、スタッフ全員が「能見Tシャツ」を着用するサプライズ。試合後は球場の「能見コール」に応え、グラウンドを一周した。最後は全員で記念撮影。来季構想外となった選手では異例の“セレモニー”開催となった。

 ナインの涙が人望を物語る。梅野、岩貞、そして大山も涙を流していた。自主トレメンバーだけでなく、選手、スタッフ全員が別れを惜しんだ。ウイニングボールも拒む岩貞にプレゼント。左腕の顔は晴れやかだった。

 「見ての通り。まだまだ元気なので。引退じゃないんだから」

 タテジマでの思い出には13年の巨人戦全カード登板を挙げた。エースとして投げ続けた日々が左腕の誇りだ。最後は甲子園のマウンドに立った。もう一度帰ってくる。能見の挑戦がここから始まる。

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