「巨人５－４阪神」（２３日、東京ドーム）

　４個目の失策が記録されると、阪神・マルテは思わず膝を突いた。プロ野球史上初にリーグ史上初。ダブルのワースト記録が敗戦に直結した。汚名返上の４号ソロがかすむ守乱。来季残留に向けアピールが続く中、攻守で明暗分かれる結果になった。

　二回だ。先制点を失い、なおも１死二塁。田中俊の打球が一塁に飛んだ。この打球をはじいたマルテは、一塁カバーに入った西勇に背面トスを試みたが、大きくそれて若林のホーム生還を許した。

　さらに１死一、三塁から、今村のスクイズを捕球できず、一塁手の１イニング３失策はリーグ初となった。さらに五回にも無死三塁で、松原の簡単な一ゴロをポロリ。一塁手のプロ野球記録となる１試合４失策が響いた。

　バットでは四回、左翼越えに４号ソロ。試合途中には広報を通じて「守備で迷惑をかけてしまった。まだまだ自分のミスを取り返せていないから、しっかり取り返せるように頑張る」とコメントしたが…。チームとして意地を見せたかった一戦で、今シーズンを象徴するような拙守だった。