阪神・球児の帰還に包まれた甲子園 虎党大歓声もチームは沈黙…九回反撃も遅し

4回、二飛に倒れ悔しがる阪神・糸井(撮影・飯室逸平)
8回、遊飛に倒れ悔しがる阪神・ボーア(撮影・田中太一)
6回、広島打線を無失点に抑えた藤川はスタンドの声援にグラブを掲げて応える(撮影・田中太一)
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 「阪神1-5広島」(20日、甲子園球場)

 阪神・藤川球児投手の71日ぶりの1軍登板に沸いた甲子園だったが、打線が沈黙し続けた。相手先発・九里を打ち崩せない展開が続き、五回までは無安打に抑え込まれていた。9回に3安打をまとめて1点を返したが、反撃は遅すぎた。

 突破口を見出せない展開が続いた。四回までは誰もが出塁できなかった。そして五回は2死走者なしからボーアが四球で出塁したが、後続が続かずに終わった。

 待望の安打は六回に出た。近本が2死から右線二塁打を放ったが、板山が三ゴロに倒れ、チャンスを拡大させることはできなかった。

 ようやく反撃したのは5点差の九回。ここまで1安打投球の九里に1死後、近本、代打原口が安打で続き、糸井の右前適時打で1点を返した。ここで九里を降板させたが、2番手・フランスアに大山が投ゴロ。最後はサンズが三振に倒れた。

 先発のガルシアは今季最短の3回4失点でKOされた。ただ、六回に藤川が8月10日・DeNA戦(横浜)以来、2カ月ぶりに1軍のマウンドに帰ってきたことが虎党にとって忘れられない一日となった。「ピッチャー・藤川」がコールされ、黄色のリリーフカーに乗った藤川がマウンドに向かうと、球場中が割れんばかりの歓声に包まれた。

 ファンも固唾をのんでマウンドに視線を向ける。藤川は先頭の三好には左前打を許したが、続く上本を遊直に、飛び出していた一走・三好もアウトにした。そして最後は九里を146キロ直球で見逃し三振に抑え、この日一番の拍手が巻き起こった。

 ベンチに戻る際に、藤川はグラブをはめている左手を掲げ、歓声に応えた。11月10日・巨人戦(甲子園)に引退試合を控える。あと何度、この勇姿を見ることができるのだろうか。

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