【藤田平氏の眼】阪神・高橋は自分の武器が何なのかを見つめ直せ
「阪神7-3中日」(29日、甲子園球場)
阪神・高橋は24歳にして、技巧派へ転身しようとでもしているのか。とでも言うぐらい、最近は変化球の割合が非常に多い。しかも体が本塁方向に突っ込んでいるからボールにキレが生まれていない。また、同じフォームで直球を投げているもんだから、腕だけが遅れて出てきて、ボールが上ずってしまっている。
高橋の一番の魅力は言うまでもなく直球だ。スピードガン以上の速さとキレを打者に感じさせることができる球だ。ただ、最近は変化球の投げすぎによって、その魅力が失われているように感じる。
俺の現役時代から、速球派投手が変化球に頼り始めると、直球のスピードが5キロ落ちると言われている。去年の巨人・菅野がそうで、今の高橋がまさに当てはまる。変化球で緩急差を生もうとして、逆に直球のキレを失う悪循環に陥っている。
いま一度原点に立ち返ろう。相手が狙っていても打てなかった直球が、自分の最大の武器ではないのか。技巧派投手になるには、30歳を超えてからで十分だ。