田淵氏「優勝を、私が生きている間にお願いします」殿堂入り表彰式で阪神にエール

 競技者表彰のエキスパート表彰として今年の野球殿堂入りを果たした田淵幸一氏(73)の表彰式が18日、都内のホテルで開かれた。現役時代は阪神の4番を務め、通算474発を放った希代のスラッガー。古巣に対し「優勝を、私が生きている間にお願いします」と願った。

 野球殿堂博物館による表彰に先立ち、阪神球団から表彰を受け、藤原オーナーや矢野監督から祝福された。03年の優勝時は星野監督を支えるコーチとして貢献。当時を「星野以下、球団の裏方さんを大事にした」と述懐。続けて「文句を言わず、矢野監督、コーチの言うことを素直に受け止め、一致団結してほしい」と力を込めた。

 選手への視線も優しく、温かい。正捕手を務める梅野を「今、12球団でナンバーワンの捕手」と評価。「藤川がいなくなったら(自身が背負った背番号)22番をすぐもらえと言っている」と明かし、4番を張る大山には「背筋力を使う打撃を覚えたんじゃないか。打撃に自覚が芽生えてきた」と目を細めた。

 最後の優勝は05年。頂点に立った時の熱狂を肌身で感じてきただけに「OBとしては阪神がもう一回盛り上がって、その時はもう一回、大阪に飛んでいく気持ちだよ」と思いをはせた。猛虎の歴史を刻んできたレジェンド。朗らかな声に、愛情があふれていた。

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