上本 恩返し残留 FA権行使せず「支えてくれた人たちのために」

 今季、国内FA権を取得した上本博紀内野手(32)が13日、権利を行使せず1年契約で残留することを決断した。鳴尾浜でのリハビリ終了後に会見し、故障からの復活ロードを支えてくれたトレーナーやスタッフへ“恩返し”をするためと説明。順調なら来年2月1日のキャンプインから全メニューを消化できる見通しで、最下位からの巻き返しへ背番号00の全力プレーがカギを握る。

 来季もタテジマのユニホームを身にまとう。その理由は上本の中で一つしかなかった。「ケガをしたという状態でも応援してくれた、支えてくれた、そういう人たちのためにプレーしたい」。恩返しの気持ちが、残留という決断に向かわせた。

 5月5日の中日戦で二塁へ滑り込んだ際に左膝を負傷。「左膝前十字じん帯の断裂」という選手生命を脅かす診断を受け、手術に踏み切った。今季を棒に振る中、付き添ったトレーナーは懸命に復帰への道を支えた。

 周囲の人たちは温かい励ましの声をかけ、今オフに矢野新監督が就任すると、最初の仕事としてリハビリを行っていた鳴尾浜へ出向いた。新体制に欠かせない必要な戦力として残留要請を行った。

 この日、正午過ぎに球団へ残留の意思を伝えると、すぐさま安芸で秋季キャンプを行う矢野監督にも電話で「よろしくお願いします」と連絡を入れた。指揮官は「俺も正直に話をしていたしね。足を使えるだったり、パンチ力もあったりという部分ではこっちの幅はね、選択肢はすごく増えるから」と笑みを浮かべる。

 リハビリは順調に進んでおり、すでにノックを受けられるまで回復。行程通りに進めば来年2月1日のキャンプイン時にはすべてのメニューを消化できる見通しとなっている。上本の魅力はスピードと小柄な体から繰り出されるパンチ力十分のスイング。「そこを目指してやってます」と故障前の姿に近づけようと、懸命に汗を流している。

 左膝を負傷したのはゲーム中のグラウンド上で起こったアクシデント。それでもスタイルを変えるつもりはない。「全力でやり切る。今まで通り、全力でやっていきたい」と力を込め、競争にも「今までと変わらない」と言った。故障から立ち直った背番号00の姿-。それが最下位からの巻き返しへ確かな原動力になる。

2023-11-05
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