阪神 33日ぶり甲子園で勝てず 九回サヨナラ好機に大山痛恨ポップフライ

 「阪神0-1ヤクルト」(28日、甲子園球場)

 タテジマが33日ぶりに戻ってきた本拠地・甲子園がため息に支配された。阪神が今季10度目の完封負け。高校球児が数々のドラマを演じた聖地で、猛虎は屈辱にまみれた。あと一本が出ない決定力不足はもう見飽きた。でも、秋風には早すぎる…。

 最後の最後で沸き上がったファンのボルテージは、最高潮へと達する前に終わった。33日ぶりに戻ってきた甲子園の夜空に舞い上がった2つのポップフライ。今季10度目の完封負けに金本監督は「どうしても勝ちたかったけどね。本当に」と語気を強めた。本拠地で勝てない、打てない現実が浮上を目指す虎の足かせになっている。

 1点を追う九回、糸井の右翼線二塁打と代打・原口の左前打で1死一、三塁の好機を作った。一塁走者には代走・植田、三塁走者も代走・江越。足を使える選手を配置し、ベンチにはナバーロ、鳥谷といった左打者も控えていた。

 ヤクルトの内野陣は中間守備の併殺シフト態勢。さまざまな選択肢があった中、金本監督はここ数試合で状態を上げてきた大山をそのまま打席に送った。「外野フライを打ってくれるかなというのがあったからね」と指揮官。カウント1ストライクからの2球目、イメージ通り最も外野フライになりやすい高めの直球に食らいついた。

 だが148キロに力負けし、高々と舞い上がった白球は遊撃・西浦のグラブに収まった。最悪の結果に大山は歯を食いしばり、悔しさをにじませていた。将来のスラッガー候補として、まだまだ技術不足、力不足を痛感する打席内容。続く俊介も一飛に倒れてゲームセット。試合後、大山は言葉を発することなくクラブハウスへ引き揚げた。

 中軸を担っていかなければならない存在だからこそ、金本監督は信念を持って打席に送った。大山自身も十分に分かっていたからこそ、こみ上げる悔しさを隠せなかった。ヤクルト・小川に対して分がいい右打者を並べ、必死に食らいついた。リリーフが安定しない相手だけに、終盤のチャンスを信じて必死に各打者が粘って球数を投げさせた。

 そんなチームの思いを一身に背負い、結果を残せる打者になってほしい-。大山がこの悔しさをどう感じて、どう成長していくか。ロサリオが登録抹消となった今、陽川らを含めた若手の奮起に残り35試合、そしてその先に続く虎の未来がかかっている。

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