呂彦青、努力の順応と確かな成長

 現在、ウエスタン・リーグ首位を走っている阪神2軍。チーム防御率もリーグトップの3・01。そんな豊富なブルペン陣で急成長を見せているのが、台湾から新加入した呂彦青投手(22)だ。国立台湾体育運動大からプロ入りし今季11試合に登板。投げるたびに進化する左腕を支えているのは野球、生活両面での“日本への順応”だった。

 ウエスタン11試合に登板し、2勝3敗、防御率4・71の呂彦青。まだまだ発展途上だが、今は直球の球速も140キロ中盤をコンスタントにマークし、確かな成長を試合の中で見せつつある。

 「投球やスタミナに限らず、全面的に進歩していると思う。台湾にいる時は、試合は大会期間に限られていた。こっち(日本)だと、シーズンを通してになってくるので」

 1年間を通して戦うプロ野球。その環境に身を置いて日々の練習に取り組むことが、自身の成長につながる。

 「練習量、一日一日のスケジュールを、最初は何とかしてやりこなしていたけど、それを積み重ねていくうちに、だんだんと自分が進歩してきていると感じる。春先はまだいろんな環境に慣れない部分があって、うまく調整できていなかったけど、本来の調子は取り戻しつつある」

 異国での生活。言葉の壁に苦労したが、現在では「ゆっくりしゃべっていただければ、聞き取れるんですけど」というほど語学力がアップ。寮生活を過ごす仲間と時間を共有し、グラウンド外でも充実した日々を送る。

 「食事の機会で話したり、たまに部屋に行ったりして話している。(2軍生活が続いたロサリオとも)自分の分かっている英語でふざけ合ったりしていた」

 矢野2軍監督は「(当初は)今年1年は全く厳しいかなというのも、なくはなかった」と振り返る。それが今では2軍の先発として、実戦登板を重ねるまでになった。以前は「カーブがけっこうアクセントになる」と特長に言及していたが、最近ではストライクの確率を高めること、初球や先頭打者という“1”を意識していこうと、より実践的な指導に変わってきた。

 「台湾の時と比べると、思い通りのボールは投げられていない。どういうふうに練習すれば台湾にいた時のボールが投げられるか、模索している。日本のバッターはやっぱり、粘り強くていいバッターが多い。コースギリギリに投げて、どうやってカウントを稼いだり空振りを取るかを勉強してやっている」

 1年目から着実な成長を遂げている呂彦青。外国人枠の競争を勝ち取り、1軍マウンドで投げる日を目指していく。

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