金本監督 激高が呼んだ、劇的サヨナラ勝利

 延長11回、大和の三塁封殺の判定にベンチを飛び出し抗議する金本監督
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 「交流戦、阪神4-3日本ハム」(4日、甲子園球場)

 思わずベンチを飛び出した。アウトの判定に納得がいかなかった。選手があきらめずに頑張っている。懸命に勝ちをもぎとろうとしている-。その思いが阪神・金本監督の闘争心に火をつけた。その“熱さ”が選手と一体となり、今季2度目のサヨナラ勝ちを呼んだ。

 「僕には完全にセーフに見えたんでね。これはビデオ判定がないプレーなので、かなり悔しい思いをしましたけど」と語った場面は十一回無死一、二塁。代打・北條が投前にバントし、エスコバーは三塁へ送球。二走・大和の足が一瞬、早く到達したように見えたが判定はアウト。顔を紅潮させ、何かを叫びながら審判団に訴えた。

 戦う姿勢を前面に出した背番号6の姿が、今季最多4万6744人が詰めかけた球場を異様な雰囲気に変えた。そして、選手を鼓舞した。直前の鳥谷は無死一塁からあわや二塁封殺の捕手前へのバントだったが、大野の悪送球でチャンス拡大。直後、併殺打かと思われた原口の遊ゴロを相手内野陣がまさかのミス。一喜一憂を繰り返す中で満塁とし、最後は岡崎が決めた。

 ベンチ前で殊勲のベテランと抱き合うと、そのまま振り回し、頭をくしゃくしゃになでた指揮官。信じて起用した選手の奮闘に「うれしいですね」と喜びをかみしめる。

 「四球からもらったような勝ちかもしれないですけど、2点でもあきらめる気持ちがあったら、ボール球に手を出したり、雑に打ちにいったりしていると思う」。2点ビハインドの九回、好機を演出した3者連続四球はあきらめない姿勢を示していた。十一回も大和が冷静に四球を選び、劇勝の起点を作った。

 昨年から口酸っぱく言い続けてきた2ストライク後の対応、そしてボールの見極め-。金本監督の理想とする野球が着実に花を開き始めている。ベンチと選手の意思統一が深まれば深まるほど、チームは間違いなく強くなる。

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