糸井 雨中の聖地デビュー戦でマルチ発進

 「阪神3-5巨人」(7日、甲子園球場)

 涙雨にぬれた聖地開幕戦。宿敵を撃破することができず3連勝を逃し、再び借金生活に逆戻り。だが、4万6214人のファンは確かな希望を抱いたに違いない。阪神・糸井嘉男外野手(35)が聖地デビュー戦でマルチ安打発進。驚異の打棒で今日こそG倒や-。

 聖地が糸井のデビュー戦を歓迎した。接戦をものにできなかった悔しさは残るが、背番号7のバットに一筋の光明が見える。甲子園には4万6214人の大観衆が詰めかけた。勝利を届けたかった。

 四回の先頭。ゆっくりと打席に入った糸井は先発・マイコラスの直球を捉え、三遊間を破る左前打を放った。六回無死一塁では、内角の厳しい球をうまく腕をたたんで右前打。5試合連続安打とし、打率・417とアベレージも上昇。超人のバットに、猛虎打線は勇気づけられる。

 昨季の対巨人戦は9勝15敗1分け。マイコラスにも対戦防御率1・29と抑えられ、負のイメージが先行していた。しかし、この日は先発野手全員安打。10度の「H」ランプをともし、助っ人右腕を苦しめた。今季初の甲子園で勝利の美酒は味わえなかったが、金本監督は前向きに捉えている。

 「以前のようなアレルギーみたいなものはなくなったかな、という印象はあるけど。チャンスでもう一本というところだね。得点圏でどうかと、勝負どころでということだから」

 だか、その中で見逃せないプレーもあった。初回1死満塁の大ピンチ。マギーが放った左中間への打球が中堅・糸井と左翼・高山の間に落ちた。(記録は左越え適時打)。糸井が捕球体勢に入ったかに見えたが、結局お互い譲り合う形に。金本監督も「楽勝でアウトだと思って、捕ったものだと思ったけど」と首をかしげた。

 敗戦につながった瞬間に変わりないが、後ろばかり向いていられない。借金1となり、迎える第2戦。カギを握るのはこの日、マルチ安打を記録した糸井のバット。試合後、クラブハウスへと続く通路で一言だけ言葉を残した。

 「アイシングがあるから」

 関節炎を発症した右膝を丁寧にケアし、また聖地で躍動する。32年ぶりの日本一を果たすために、G倒は必須条件。チームが、ファンが喜ぶ快音を背番号7が再び響かせてみせる。

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