糸井 3戦連発!超特大V弾 「ここしかない」一振りで連敗止めた

 「阪神4-1ヤクルト」(5日、京セラドーム大阪)

 頼りになる超人が勝負を決めた。1-1で迎えた七回、阪神・糸井嘉男外野手(35)が右翼席上段へ勝ち越しの決勝3ランを放った。3試合連続となる特大の一発で、チームの連敗を3で止めた。この男が3番にどっかり座る虎打線。今年はやっぱり違う。

 黄色く染まった京セラドームを見渡し、100点の笑顔をファンに届けた。文句なしのヒーローとして、虎初のお立ち台に上がった糸井。「鳥肌が立っています」。大声援に心を震わせ、充実感に浸る。3試合連発となった3号3ランが試合を決めた。やはり、背番号7は“超人”だ。

 「3連敗して絶対負けられない気持ちがあったので。手応えは完璧でした。ここしかないと思っていました」

 1-1の七回2死一、二塁。2番手・ルーキの153キロをフルスイングすると、弾丸ライナーの打球は右翼5階席に突き刺さった。一塁側ベンチへ「どうや!」とばかりに拳を向け、悠々とダイヤモンドを駆ける。これで開幕から5試合連続打点。六回には先発・山中から右前打を放ち、打率・467と抜群の打撃力を見せつけた。

 「明日(6日)もまた練習して、備えたいと思います」

 試合開始5時間前、この日も特打組の若手に交じりグラウンドへ現れた。ティー打撃、ロングティー、自身と向き合いながら準備を進める。決しておごらず、愚直に前へ進んでいくのが背番号7の野球道。その姿勢は今も、昔も変わらない。

 高校時代、鳥取のトレーニング研究施設「ワールドウィング」を訪れた時のこと。トレーニング後の帰り道、疲れた体で電車に乗ると自然と眠りについてしまった。父親が迎えに来てくれる予定の駅を通り越してしまい、起きた時は深夜。終電も過ぎ、予定の駅まで戻れなかった。限界まで追い込み、ケガをしてしまうこともしばしばある。だが、それが糸井嘉男の強さ。幼い頃から積み上げてきた努力が、今の活躍につながっている。

 バットを指2~3本分短く持ち、工夫して一発を放ったことにも意味がある。金本監督は「ああいう場面で一発を打てるのは打者として最高の価値がある」と賛辞を贈った。

 3連敗と沈み込んでいた虎も、今季ホーム初勝利で息を吹き返す。「(阪神は)一番のチームやと思っています」。虎柄に染まる男が言葉で、背中で、猛虎を引っ張っていく。

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