マートン均衡切り裂くV3ランでG倒!

 6回に先制3ランを放ち、守備につく際にスタンドからの声援に応えるマートン(撮影・田中太一)
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 「阪神5‐1巨人」(11日、甲子園)

 マートンさまさまや!阪神のマット・マートン外野手(32)が六回2死一、二塁から右翼ポール際へ飛び込む5号3ラン。五回まで無安打に封じ込まれていた天敵・杉内をひと振りで沈めてみせた。3冠王に返り咲いた助っ人のバットで今季初の3連勝に初の貯金1。マートン様がいる限り、どんな相手も怖くない。

 その目は背筋が凍るような鋭さを漂わせていた。恐怖感すら感じさせる表情で、マートンは大歓声のシャワーが降り注ぐダイヤモンドを一周してきた。それほど全神経を研ぎ澄ませ、完ぺきに獲物を仕留めた。決勝3ランを放ったその姿はもはや、“どう猛な動物”としか形容できない。

 0‐0の六回だった。ここまで無安打に抑えられていた杉内から上本が左前打で出塁。2死二塁からゴメスが低めの変化球を見極めて四球を選んだ。「勝負せざるをえなくなった」とマートンが振り返ったように、絶好機が巡ってきた。

 塁が詰まり、追い込まれた杉内に襲いかかる。カウント1‐1からの3球目、外角低めの135キロ直球に食らいついた。「1打席目にアウトローでやられたから外に意識を置いていた」と完ぺきに読み切り、力強く振り切った打球は低い弾道のまま右翼ポール際へ飛び込んでいった。

 試合を決める5号3ラン。難攻不落の左腕を一発で撃ち落とし、和田監督は「何とかしてくれると思っていたけど、1点じゃなく3点だったことに価値がある」と称賛を惜しまない。本塁打数でロペスに並び、再びリーグ3冠王に君臨。本人は「神様が助けてくれる部分があるのかな」と言うが、神がかりな打棒の裏には確かな技術的要因がある。

 「たとえインハイでも真ん中を打っているように見える」。これはネット裏に座るスコアラーからこぼれてきた言葉だ。昨季はボールを打ちに行く際、構えた位置からふっと上体が起き上がっていた。

 だが今年はインパクトの瞬間まで“く”の字型の前傾姿勢を維持。関川打撃コーチが「頭がまったく動かないから、目線がぶれない。どのコースでも球種でも打てる」。9分割のチャート表はすべて3割以上のレッドゾーン。もはや対策の糸口も許さない状態だ。

 お立ち台では優しい笑みに戻り、「4月ダケ。明日、ガンバリマス!」と謙遜した助っ人。まだまだその勢いは止まらない。進撃の和田阪神を引っ張れるのは、マートンしかいない。

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