「阪神７‐４中日」（３日、京セラ）

　試合の流れを決定づけたのは、頼れる５番の一振り。「きょう１日は自分としてもいい形で打席に入れていた」と振り返る阪神・マートン。場面は、相手のミスに乗じて２点を先制した後の二回２死満塁だ。

　今のマートンが、山内の甘く入った変化球を逃すはずもない。鋭く打ち返された白球は、中堅・大島の頭上を高々と越えていった。前夜の３打点に続き、ここでも猛虎に流れを呼び込む２点二塁打を放った。

　今季は新外国人・ゴメスの後ろで５番を務める。「打順によって打席が回ってくる回数は変わるが、心持ちが変わることはない」という。ただ新猛虎打線に、昨季までとは違う手応えも感じていた。

　西岡の代役・上本の躍動。そしてコンビを組むゴメスも好調を維持している。「今年に関しては、いい場面で（打席が）回ってくることが多い。やりがいは感じている」。研ぎ澄まされた打席での集中力が、好結果につながっているのは間違いない。

　お立ち台では「ニシオカサン、イナイ。サビシイ。アイシテル」と故障離脱の同僚・西岡を気遣った。その穴は全員で埋める。「チーム全体でつながっていくのが、いい打線。今はそれができているね」。最高のチーム状態を整え、仲間の帰りを待つ。