新井、開幕へ新境地「代打仕様でいく」

 自身初の代打要員として開幕を迎える新井貴浩内野手(36)が26日、京セラドームでの練習後、現在の心境を明らかにした。「(最初は)代打仕様で…」と話したが、右肩痛から完全復活すれば、シーズン中に兄弟による仁義なき4番争いが再燃する。

 兄は新境地で15年目の開幕に臨む。依然右肩後方関節唇(しん)損傷から再起を期す身。本来座るべき4番どころか、スタメンに名を連ねられない責任を感じながら13年シーズンを迎える。当面は代打としてベンチスタート。決して本意ではないが、気持ちを切り替え、チームのためにその役割に徹する構えだ。

 「オープン戦では代打という感覚で打席には立っていなかったけど、シーズンに入れば、代打仕様でいく。代打はあまり経験がないけど、開幕に向けて、いい準備をするだけ」と静かに話した。

 右肩の痛みを発症した昨季、4番の座を弟の良太に譲った。2度の4番降格を味わい、今オフは不退転の決意で再起を期したが、キャンプ中に新たに背中に張りを訴え、安芸で2軍調整。「絶対間に合う」とひたむきに調整を続け、何とか開幕1軍には滑り込んだ。

 「代打?そうだな…。確か、05年に楽天戦で満塁ホームランを打ったことがあったような。あまり覚えていないけど…」。本塁打王に輝いた同シーズンも開幕はベンチスタート。それでも、終わってみれば師と仰ぐ金本(阪神)を抑え、初タイトルを獲得。8年前と状況は全く異なるが、長い戦いで必ず元4番が打線の中心になる日も来る。その実績を疑う者はいない。シーズン中に新井兄弟がハイレベルな4番争いを繰り広げれば、補強で磨きのかかった攻撃力はさらに厚みを増す。

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