西岡863日ぶり“里帰り”で大歓声

 「オープン戦、ロッテ6-4阪神」(16日、QVC)

 初回、先頭打者として右打席に立つと、球場が拍手と大歓声に包まれた。2010年11月4日の中日との日本シリーズ第5戦以来863日ぶり。阪神・西岡がロッテ時代の本拠地・QVCに立ち、ロッテファンからの歓迎に心を震わせた。

 「育ててもらったグラウンドで、すごく思い入れのある球場なので歓声はすごくうれしかった。選手はファンに育ててもらうもの。僕は若い時からロッテファンの方に育ててもらったと思っている。本当に人間として感謝しているので(歓声は)とてもうれしかった」

 ロッテには03~10年に8年間在籍。ファンとは2度の日本一にともに歓喜したこともあれば、09年に球団批判をめぐって衝突したこともあった。苦楽をともにした仲間だったからこそ、心温まる歓迎に奮い立った。

 試合では気合が空回りしたのか、4打数無安打。「ロッテファンの方に元気な姿を見てもらおうと思ったけど、いい投手に抑えられてしまった」。それでも七回は二塁失策で出塁すると、二盗に成功。見せ場はつくった。

 帰りのバスへとつながる通路には阪神ファンだけではなく、ロッテファンも駆けつけていた。

 「西岡、おかえり!」

 「阪神でも頑張れ!」

 止まらない歓声に、試合中とは違う穏やかな笑みを見せた背番号7。かつてのホームグラウンドで、開幕へ向けて英気を養った。

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