西岡、積極打法&自慢の快速で逆転呼ぶ

 「オープン戦、阪神4‐3ロッテ」(7日、甲子園)

 打球が右翼の芝生に落ちた時点で、阪神・西岡のギアはすでにトップへ入っていた。1点を追う初回、しかも無死‐。慎重にならざるをえない条件を振り払うかのように、背番号7は勢いよく二塁ベースを蹴った。

 「塁に出ても野手の位置は見ているし、あの打球で追い風だったら伸びる。向かい風だったので落ちると分かった」と西岡。場面は一回、連日の初球打ちで三遊間を破ると、続く大和が放った右前打で一気に三塁を狙った。やや詰まった正面の打球で、清田が捕球した位置は定位置よりも前。普通の走者なら自重してもおかしくないが、的確な打球判断、抜群のスタート、ロスのないベースランニングで間一髪、セーフにしてみせた。

 逆転へ流れを導き、首脳陣に絶大なインパクトを与えた激走。「打った瞬間に行っていた」と一塁の久慈内野守備走塁コーチが言えば、三塁の吉竹作戦・守備走塁コーチも「あれは大きかった。風と右翼の守備位置を判断してね。ああいう思い切りがあるということは分かった」。和田監督は「あれを待っていた。チームが見習っていかないといけないものを見せてくれたし、タイガースの走塁を変える第一歩になった」と称賛を惜しまない。

 外野手の守備力、守備位置、風の吹き方、打球の強さ‐。それらを瞬時に頭の中ではじき出してスタートを切る西岡。走る以前の準備に関して「きちっとできた」と言った。打球が落ちてからでは遅い。バットから白球がはじき出された瞬間に、スタートを切る用意を常に整えている。

 それは打撃でも同じ。打席に入る前、イニング間に相手投手に与えられる5球の投球練習で、必ずタイミングを合わせる。キャンプ中の練習試合では、ブルペンが屋外にあれば、試合前からベンチ前に出て愚直にタイミングを計っていた。

 だからこそ、プレーボールと同時に初回、第1打席の初球を狙える。繊細に、そして用意周到に“準備”を怠らない背番号7。その存在感が、タイガースの空気を確かに変えつつある。

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