藤浪キャンプ完走!開幕ローテ見えた

 「阪神春季キャンプ」(22日、宜野座)

 開幕ローテーション入りに、また一歩近づいた。阪神は22日、宜野座村野球場での春季キャンプを打ち上げた。ドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭=は最終日に自己最多の66球を投げ込み、23日には居残り組相手のシート打撃に登板する。順調にプロの階段をかけ上がるルーキーに、中西投手コーチは「これからが楽しみで賞だ!」と絶賛した。

 阪神では高卒新人初の開幕ローテーション入りへ、藤浪がまた一歩近づいた。春季キャンプをケガなく終えた黄金ルーキー。すべてが中西投手コーチの思い描くプラン通りに進んでいる。

 「藤浪はキャンプを完走できたで賞、これからが楽しみで賞だ!」。中西投手コーチは豪快に笑った。そして「故障もなく完走できたことに意義がある。打撃投手、(23日の)シート打撃まできた。11月に練った計画通り。いよいよという準備段階まできている」と、順調な調整に太鼓判。さらに開幕ローテーション入りが現実味を帯びてきたかと問われると、「と思います。順調、順調にきています」とキッパリと言い切った。

 高卒新人ながら1軍キャンプを完走した藤浪。ブルペンでは“七色の球種”を披露し、初めて登板したフリー打撃では小豆畑のバットをへし折るなど、常に周囲の度肝を抜いてきた。

 それでも中西コーチの言葉を伝え聞いた藤浪は「まだまだ実戦でも練習試合でも投げていないので、これからしっかりやって、少しずつ実戦でも投げていって抑えることができれば、そのこと(開幕ローテ入り)を考えていきたいと思います」。これまで通り冷静だった。

 この日はブルペンで今キャンプ最多の66球を投げた。初めて打席に立った和田監督は、現役時代さながらの構えから大物ルーキーの投球を見定めた。「きょうが一番良かった。思ったより近く見える。あれは大きな武器になるね」と絶賛した。

 続けて、実戦を想定した投球も披露。ブルペン捕手を順に左右の打席に立たせ、捕手を務めた藤井彰のサイン通りに投げた。「実戦的な配球で自分としてはすごく投げやすかったです」と藤浪。直球、変化球のコントロールは安定しており、今キャンプ一番の内容。最高の形でキャンプを締めくくった。

 23日にはオープン戦が開幕するが、藤浪は居残り組相手のシート打撃に登板。プロの打者と初めて“真剣勝負”する。「自分の今の状態を確認したい。ベストにならないと、足りないところも分からないので。ベストにどれくらいまできているか確認したいです」。開幕ローテーション入りを視界に捉えた藤浪の第2章が始まる。

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