大相撲「丸亀場所」琴勇輝に熱いエール

 「大相撲秋巡業」(22日、丸亀市民体育館)

 大相撲の秋巡業「丸亀場所」が22日、香川県の丸亀市民体育館で行われた。同市で巡業が行われるのは22年ぶりで、会場には満員御礼の4000人が詰めかけた。主役は小学校卒業まで丸亀市で育った幕内琴勇輝(22)。三役昇進を期待する地元ファンから熱いエールを受け、「力になった」とさらなる飛躍を誓った。

 香川から飛び立った期待の星に、熱い声援が降り注いだ。22年ぶりに開催された丸亀場所。「たくさんの人が巡業を喜んでくれた。この番付(幕内)で戻ってこられてうれしい」。琴勇輝は感慨深げな表情で、満員御礼の会場を見渡した。

 出身地の小豆島で開催された昨年10月の「オリーブ場所」に続き、地元・香川で2年連続の巡業が実現。小学校時代の同級生や知人ら、多くの懐かしい顔も詰めかけた。

 朝の稽古では、横綱日馬富士に胸を借り、ヘトヘトになるまでぶつかり稽古を繰り返した。土俵に転がされ、全身土まみれになると、客席のあちこちから「勇輝ガンバレ!」と熱いゲキが飛んだ。

 相撲甚句や初切(しょっきり)、髪結実演など、伝統の“技”に会場は大盛り上がり。白鵬、日馬富士の横綱土俵入りでは「ヨイショ!」のかけ声が響いた。

 激しい勝負が繰り広げられた中入り取組で、琴勇輝は豊響と対戦。自慢の突き押しで圧倒し、割れんばかりの拍手を受けた。

 自己最高位の西前頭9枚目で迎えた秋場所は、7勝8敗で惜しくも負け越し。目標の三役昇進に向け、力不足を痛感した。さらに鍛錬を積み、九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)で巻き返しを狙う。

 「香川のみなさんの声が力になった。気持ちを前に出して、思い切った相撲を取りたい。また香川で巡業をやってもらえるように、精いっぱい頑張りたい」。地元の声援をパワーに変えて、九州に乗り込む。

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