雑木林で見つけた子猫たち「おばちゃんがなんとかするよ!」 2匹を我が子にしたことがきっかけで9匹の大所帯に

犬好きだったMさんは、たまたま捨てられていた4匹の子猫を保護した。2匹は譲渡し、2匹は自分で飼うことにした。犬のあんずちゃんは、まるで母猫のように子猫たちを可愛がった。しかし、子猫たちを保護した6日後、あんずちゃんは脾臓の腫瘍が原因で急死した。あんずちゃんを亡くしてMさんはショックを受けたが、子猫たちの世話をしなければならず、泣いてばかりもいられなかった。

■5匹の捨て猫

2017年5月26日の日中、茨城県に住むMさんは日課のウォーキングをしていた。晴れて気持ちのいい日だった。家の手前の雑木林のところで、近所の子供が小さな子猫と遊んでいたので、「わぁ!猫飼ったんだ!?」と話しかけたら、「ここに捨てられていたんだけど、お母さんがうちには犬がいるから飼えないって…」と言う。

Mさんは、保護団体の人と親しくしている会社の先輩を思い出し、「おばちゃんがなんとかするよ!」とダンボール箱を持ってきて、子猫たちを保護した。

全部黒猫ばかりで5匹いた。1匹は何かに喉を噛まれて道の脇で息絶えていた。Mさんは胸が痛んだ。月齢は1カ月経つか経たないかだと健康診断をした獣医師が言った。

■子猫まみれになる幸せ

当時、Mさんは難病のMIX犬、あんずちゃんを飼っていた。散歩のたびに、猫を見付けると突進して行くので、猫は天敵のようだからうちで飼うのは無理だと思っていた。

しかし、あんずちゃんは子猫が気になって仕方ないようで、近付いて世話を焼きたがり、母の目をして子猫たちを見つめていた。

「何匹かは残しても大丈夫だろうと思いました。保護してすぐに先輩に電話しましたが、今は保護団体さんと繋がりが無いと言われてしまい、茫然としていたのです。割と早いうちに、うちで飼う決心をしました」

Mさんは、子猫たちが可愛くてたまらず、とにかく死なせないようにしなければと必死で育てた。4匹の子猫がMさんの体を登って来て、猫まみれになれた数日間は幸せでしかなかったという。

■猫9匹の大所帯に

数日間はシリンジでミルクを与え、トイレも刺激して世話をしていた。3、4日ほどで離乳し、トイレもすぐ覚えて、あんずちゃんにシャーシャー言いながらもなれてきた。

職場の同僚が、オスメス1匹ずつ引き受けてくれた。Mさんは、残る2匹を飼い、あんずちゃんに続き、木になる実シリーズでゆず丸くん、すももちゃんという名前にした。

ゆず丸くんは、とにかくフレンドリーで甘えん坊。すももちゃんは、いつも誰かに触っていて欲しいタイプの甘えん坊だ。

保護したばかりの頃、ゆず丸くんだけが人懐こく、Mさんの頬を両手で挟み、ジーっと見つめて鳴いた。Mさんは、「きっとこの子は、僕はこの家の子になりたい」と言っているのだと思い、絶対にゆず丸くんだけは残そうと思った。1番小さくて大人しかったすももちゃんは、無事に生きられるのだろうかと心配だったという。

4匹を保護した6日後、あんずちゃんが急死した。Mさんは子猫を育てるのに必死だったので、悲しんでばかりいるわけにもいかず、早くに立ち直ったそうだ。

もともと犬が大好きだったMさん夫妻は、いつの間にか大の猫好きになった。ゆず丸くん、すももちゃんに続き、キジトラの桃太郎、キジトラのミーコ(みかん)ちゃんを保護、ミーコちゃんが産んだ3匹の子猫たちも飼うことにしたので7匹の猫を飼うことになった。さらに小梅ちゃん、小桃ちゃんを保護。いまでは9匹の大所帯になった。家もキャットウォークを付けて、猫仕様になった。

「今後保護する子がいたらキャパオーバーになってしまうので、里親を探さなけれならないでしょうけど、今後も見て見ぬふりはできないと思います」

庭にご飯を食べに来ている雄猫「おにぎり丸」通称オニくんもいるが、今年TNR予定だという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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