今度はオタフクソース…阪急百貨店×有名メーカーのコラボでヒット連発、狙いは?

 知名度の高い食品メーカーとコラボした「オンリーワン戦略」でヒット商品を連発している阪急百貨店うめだ本店(大阪市)が、あのオタフクソース(広島市)とタッグを結成。5日から新感覚の「お好み焼き」を販売する。これまでにも江崎グリコ、カルビー、日清食品、ハウス食品などと高級オリジナル商品を開発、販売している。その狙いとは。

 地下1階の食品売り場には、いくつもの行列ができていた。その先には江崎グリコの高級版ポッキー「バトンドール」。別の列の先にはハウス食品と組んだ1日1200個限定のカレーパン売り場。どうやら売り切れ寸前のようだ。

 食品メーカーとのコラボ企画が始まったのは、7年かけて建て替え工事を終えた2012年11月のグランドオープンから。「単なる店頭販売ではなく、情報を発信し、劇場型の百貨店にしよう」との方針を受け、プロジェクトが動き出した。

 柱としたのがオンリーワン戦略。阪急阪神百貨店の馬場淳士さん(57)は「似たり寄ったりの商品ではダメ。梅田の阪急百貨店でしか買えないものは何かを考えた」という。重要視したのは「だれもが知っている、あのブランドのあの商品」。そこに高級なイメージの“阪急フィルター”を通してできたのが一連の商品だ。

 「百貨店が元気なうちに何かを残そうと、失敗してもいいからチャレンジしています」

 最初に試みたのは、江崎グリコの高級版ポッキー「バトンドール」と亀田製菓ハッピーターンの高級品「ハッピーターンズ」。続いて同社の「柿の種プレミアム」も販売した。UHA味覚糖と共同開発したグミ「cororo」は“まるで果実”と大好評。これらのオリジナル商品はお土産、贈り物としても喜ばれている。

 今年に入ってからは総菜に挑戦した。日清食品とのコラボで、好みのスープと具材をカスタマイズできる未来のカップヌードル「モモフクヌードル」を開発。さらにハウス食品と組んで、カレーパンを売り出した。商品名の「カレーパンノヒ」は「子どものころ、カレーを食べたあの日の喜びを思い出してほしい」とハウス側から提案があった。

 「しかしね。大きさ、形、具材の量など、何度も試作し試食しては失敗の繰り返し。スイートスポットをみつけるため、こんなに太りました」

 苦労もお客さんの笑顔で報われる。そんな独自商品の第11弾として、5日からオタフクソースを使った新店舗「oh!!sauce」をオープンさせ「お好みソース饅頭」を販売する。これはハンバーガー感覚の大きさで手軽に食べられるのが売り。6種類あり、税込みで1個220~270円となっている。

 「阪急用につくってもらった固形ソースがどろっと溶け出してくるのが特徴。間違いなくヒットすると思います。メーカーさんの強みと、われわれ小売りの強みをいかして、相乗効果が生まれ、好循環になれば。これからもオンリーワン商品をつくって、お客様に喜んでもらいたい」

 馬場さんの鼻息は荒かった。“阪急の1人勝ち”ともいわれる大阪の百貨店業界。その理由はこんなところにあるのかもしれない。(デイリースポーツ特約記者・山本智行)

関連ニュース

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス