「いい肉の日」に生まれの女性が語る焼肉の魅力 消しゴム版画家「誕生日は肉」

「いい肉の日」生まれの消しゴム版画家・とみこはん。個展でステーキを描いた作品を掲げる=都内
京丹波の平井牛をアピールするビートきよし=横浜市の「焼肉ダイニング よしなさい」
京丹波の平井牛=横浜市内
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 「いい肉の日」(11月29日)には全国各地の飲食店で肉に特化したイベントや期間限定のキャンペーンが行われる。ヤフー検索の調べによると、今の時期に「いい肉の日」の関連ワードを検索するユーザーが増えるという。くしくも、この日に生まれたイラストレーターと肉を食べる機会があり、その運命に導かれた“いい肉”絡みの“いい話”を拝聴した。(文中敬称略)

 消しゴム版画家として活躍する「とみこはん」は11月29日に生まれた。パイオニアであるナンシー関の個展を大学生の時に見て「消しゴムがアートになるなんて」と感動。社会人生活を経て、2010年からフリーランスとして活動を始めた。

 食べ物や人物のモチーフを得意とし、今年10月には作家・吉本ばななの新作エッセー集「違うことをしないこと」(KADOKAWA)の単行本イラストを担当。表紙には、おいしそうな大福を消しゴム版画で描いた。都内の西武渋谷店A館7階で「いろといろ」と題した個展を12月3日まで開催中。19年のカレンダーをテーマにした新作など色とりどりの作品を展示し、原画とともにオリジナルグッズも販売している。

 その個展以前に、記者はタレントのビートきよしが横浜市内で地元の実業家と共に開店した「焼肉ダイニング よしなさい」を取材で訪れた際、とみこはんと同席していた。

 きよしはイチオシの京丹波の平井牛について「焼く前にタレを付けず、そのまま焼いて塩だけでうまい。それが、いい肉」と解説しながら、ロース、カルビ、ハラミ、ミノなどを慣れた手つきで焼いた。とみこはんは「きよし師匠がみんなのためにお肉を焼いてくれて泣きそうになりました。お肉を焼いて『ほら、食べな~』なんて言ってくれるのは親くらいしかいないので、不思議な父性を感じて。優しいなって。いい思い出をいただきました」と感慨に浸った。

 「いい肉の日」に生まれた運命について、「みんなが覚えてくれるのでありがたいですね。誕生日は思い出してくれるだけでもうれしいのに、サプライズで焼肉屋さんに誘ってくれたり、松坂牛のお肉を贈っていただいたこともあって感動しました。イイニクの星の下に生まれたと思うと、(肉を媒介にして人と)気が合いそうな気がします」と語る。

 とみこはんの家族や友人にも11月29日生まれがいる。ちなみに同日生まれの有名人は田中絹代、勝新太郎、尾崎豊、定岡正二、林家ぺー…など多士多彩。映画「男はつらいよ」シリーズ第26作「寅次郎かもめ歌」(80年12月公開)では車寅次郎が11月29日生まれと書く場面が出てくる。

 とみこはんに「肉の思い出」を聞いた。

 「10年以上前、社会人になってから、レバ刺しが大好きな先輩と後輩で一人一皿を食べた時は自分も大人になったと思いました。一切れや二切れじゃない、一皿だぞ!と。今はレバ刺しの提供はダメですけど、自分のお金で焼肉を食べられるのはうれしかったです」

 今も友人らと焼肉を食べる。「焼肉って仲良くなれますよね。一緒に作業するからかな。同じものを食べて、髪の毛や服も同じ匂いになって。帰り道まで全部が思い出になりますね」。11・29の誕生日、あちらこちらで肉を焼く音といい匂いが漂い、会話が弾む。

 (デイリースポーツ・北村泰介)

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