森保日本代表監督 所信表明全文「覚悟と感謝、2つの気持ちをもって職責を全う」

 日本代表の新監督に東京五輪男子代表を率いる森保一監督(49)の就任が26日、決まった。

 日本がW杯に初出場した1998年フランス大会以降、日本人がW杯後の新チームの監督を務めるのは初めて。都内で会見した森保新監督は「覚悟と感謝、2つの気持ちをもって職責を全うしたい」ときっぱりとした口調で2つの代表監督を兼任する決意を表明。今後、世代間の融合を図り、日本サッカー界の発展に全力を注いでいくことを誓った。

 森保監督の所信表明全文は以下の通り。

  ◇  ◇

 このたび日本代表の監督に就任させていただきました森保です。よろしくお願いします。

 きょうの記者会見の案内はきょうされたということで、急きょ集まっていただきありがとうございます。先ほどA代表の監督に就任させていただいたことはお伝えしましたが、兼任監督ということで東京五輪代表チームの監督もさせていただきながら日本のサッカー界に貢献できればと思っています。

 2つの代表を監督するのは本当に困難なことだと思います。1人でやるのであれば不可能だと思いますが、日本サッカー会、日本代表を支えて下さる多くの方々のお力をお借りしてチームを作っていけば、その不可能が可能に変わり、2つのチームを同時に見ていくことが大きな成果につながるというふうに思っています。

 日本代表の監督をするにあたってたくさんのことをしなければなりませんと思っておりますが、いくつかのことをみなさんにお伝えしなければと思っています。

 1つは日本代表の勝利のために、世代交代というところ、年代間の融合を図るということ、そして日本代表だけではなく、日本のサッカー界全体の発展につながるように。そして、私も多くの先輩のみなさんからバトンを受け継いできました。今、私がやらなければいけない任務を全うして、少しでもいい形にして次の日本代表、日本サッカー界、次の人にバトンタッチできるように全力で頑張っていきたいと思います。

 この2つの代表をやっていくには本当に覚悟が必要だと思います。そして我々日本代表が多くの方に支えられて活動できることに感謝しながら、覚悟と感謝、その2つの気持ちをもって職責を全うしたいと思います。

 ここで監督就任の会見ということで、もちろん所信表明ということでいろんな目標を掲げないといけないと思いますが、あとでみなさんからの質問もあると思いますし、今の思いは感謝の気持ちがすごく強いです。

 今回もこうやって素晴らしい仕事をいただき、私が大好きなサッカーに携わって仕事ができるのも、ここにおられるお2人(田嶋会長、関塚技術委員長)、そして日本サッカー協会のみなさんの覚悟があるからこそ、私が2つの代表の監督をすることになると思います。その覚悟に期待に応えられるように自分の全てを出して職責を全うしたいというふうに思っています。

 そして日本サッカー界、日本代表を支えて下さっているファンサポーターの方々、日本国民のみなさん、オフィシャルパートナーのキリン様、オフィシャルサプライヤーのアディダスジャパン様、サポーティングカンパニーのみなさまの支えがあって我々は活動できると思うので、みなさんの支援応援に感謝したいと思います、そして応援して下さる方々の期待に応えられるように全力を尽くして参りたいと思います。

 私は少年時代から、そしてきょうこうやって日本代表の監督に就任させていただくところまで、多くの指導者、関係者の方々、いろんな方に指導していただき教育していただきました。少年時代に指導教育していただいた方々、そして高校を卒業して広島に出てサッカー選手を目指そうというときは、サッカー界はアマチュアの日本リーグでした。そこからJリーグができて、プロという夢を見させていただいて、日本代表としてプレーさせていただき、その後、Jリーグで監督させていただき、その経験があるから、今この場所にいられると思っています。感謝したいと思います。

 そして私は現役を引退してからサンフレッチェ広島の育成部の巡回コーチをしながら、日本サッカー協会でもトレセンコーチをさせていただきました。その経験は今の私にとって非常に大きな経験になりました。

 それはなぜかと言いますと、まず、いろんなカテゴリーの活動を見させていただきました。地方を回ってグラスルーツのところから、指導者の方々が、しかもプロでお金をもらってサッカーを教えている方々はほんのごくわずかな方々で、大勢の方々は仕事もあり、家庭もあり、そして自チームの選手を見て、そしてトレセン活動や選抜活動をしているということ。本当にボランティアの精神で自己犠牲を払って選手を育ててくれているということ。そういう活動をクラブでもサッカー協会でも見させていただきました。

 そういう方々の努力があって私が今仕事をさせていただいている、東京五輪の代表に選手を送り込んでいただいているということ。すべての指導者の努力があって、環境を整えて下さる方の努力があって、我々は素晴らしい選手を見ることができる。日本を代表して戦うことができる、そこは忘れてはいけないと思います。

 そして、そういう方々が気持ちを背負っていつも戦うんだということ。そこは常に肝に命じて戦っていきたいと思います。日本サッカーにも長い歴史があると思います。多くの先輩たちが本当に大変な努力をなさって、経験を重ねて、経験を積み上げてこられて、今の自分たちの活動があると思います。日本サッカーに携わった、経験してこられたすべての方々に尊敬とそして感謝の気持ちで自分の仕事をしていきたいと思っております。そういう先輩たちにしていただいたこと、つないでいただいたことを、しっかりと次の人につないでいけるようにしっかりバトンタッチしていきたいと思います。

 先日はロシアのW杯をコーチとして経験させていただきました。西野監督は本当に素晴らしい監督だと思いました。西野監督は本当にいろんな方々の、日本サッカー界の歴史を踏まえて日本人の良さを生かしたサッカーを踏まえたチーム作りをされていました。

 そしてハリルホジッチさんから西野さんは日本人に足りないところ、デュエルのところや、ゴールに素早く向かっていく、そういうところは日本人の良さにプラスアルファしながらチーム作りをされていて、考えていることが大きくて、日本人にどうしたら合うんだろうと常に考えてチーム作りをされているなと思いました。西野監督からバトンを受け継ぎ、日本人らしく日本人の良さを出して戦い、世界と向き合っていきたいと思います。

 ただ、世界だけ考えている前に、まずアジアがあります。我々はしっかりしたチーム作りをしてアジアを戦い抜き、世界との戦いに向かっていきたいと思っています。西野監督がやられたオールジャパンで戦うチーム作りを、私も継承して進化させていきたいと思います。五輪では2年間、次のW杯まで4年間、選手とスタッフとともに最高のチームを作りあげていきたいと思います。

 しかしながら現場の選手とスタッフだけでは強いチーム、強い日本代表は作れません。ここにおられるメディアのみなさんを初め、日本代表を支えて下さるすべてのみなさんの力を貸していただき、力を結集して強い日本代表が世界に打って出られると思っています。どうぞ我々と一緒に戦って下さればと思います。常にそのときのベストを尽くして戦って参りたいと思いますので、支援、応援のほど、そして見守っていただければありがたいです。ありがとうございました。

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