日本サッカー協会は１８日、Ｗ杯ロシア大会前で国内の最終戦となる３０日の親善試合・ガーナ戦に臨む日本代表メンバー２７人を発表した。４月に就任した西野朗監督（６３）は、４年前のＷ杯ブラジル大会メンバーでもあるＭＦ青山敏弘（３２）＝広島＝を２０１５年３月の親善試合・ウズベキスタン戦以来、３年２カ月ぶりに招集。またＭＦ本田圭佑（３１）＝パチューカ、香川真司（２９）＝ドルトムント、ＦＷ岡崎慎司（３２）＝レスター＝の“ビッグ３”もメンバー入りしたが、指揮官は「あくまでガーナ戦に向けてのメンバー」と強調した。Ｗ杯メンバー２３人はガーナ戦翌日の３１日に発表される。

　よどみなく、決意を込めた言葉だった。西野監督が迷いながら選んだ２７人の代表メンバーリスト。ハリルホジッチ前体制のベースを踏襲しながらも、３年２カ月ぶりの代表復帰となった青山の話題となると「間違いなく、今、最高のパフォーマンスをしている選手」と高い評価を下した。

　香川、岡崎ら負傷者も多い。１カ月後に迫ったＷ杯初戦・コロンビア戦（６月１９日・サランスク）に向け「当然対応を考えるんですけど、なかなか正直、絵が描けない」と苦しい胸の内を明かす。だからこそ、Ｊ１の首位を走る広島を質の高いパスと献身的な守備で支えるボランチ青山に対して「彼は少し（代表から）遠ざかっているが、（Ｗ杯ブラジル大会など）代表の経験もあり、貢献度も非常に高く評価しています。過去の実績、経験値プラス現状のトップパフォーマンスの中でその力を代表チームに、（もたらしてほしい）と」と選考理由を説明した。

　一方で、苦しい台所事情も透けて見える。「６月のＷ杯の大舞台で、最高のコンディションになるであろう選手を予測し、どういうチームができるのか創造力も働かせながらの選考」と語るように、布陣も含めて完成形はまだまだ不透明だ。

　今回の２７人のメンバーにも「対応力が求められる。固執したシステムやポジションだけではない」とした上で「ポリバレント（多様性）で複数のポジションをこなせる選手が、このリストにもたくさんいる。柔軟に対応していく力、戦い方も選手には持ってほしい」。若手を抜てきするよりも、実績・経験から計算できる戦術・戦略的な拡張性に重きを置いた。

　大きな期待をかけられた青山も「Ｗ杯で勝つために、今できることを全力で出したい」とコメント。不確定要素が多い西野ジャパンの中で３２歳の抜てきは、数少ない特色となった。