“子連れ金狼”本田がW杯出場導く!

 「W杯アジア最終予選、日本-オーストラリア」(4日、埼玉)

 5大会連続5度目のW杯出場権をかけて、サッカー日本代表はアジア最終予選オーストラリア戦(4日・埼玉)に臨む。3日は決戦の舞台となる埼玉スタジアムで、冒頭15分間だけを公開する公式練習で最終調整を行った。この日からチームに合流した大黒柱のFW本田圭佑(26)=CSKAモスクワ=は、昨年秋に誕生していた長男を抱いて成田空港に降り立つ仰天帰国。どこまでも破天荒な金狼がザックジャパンを歓喜へと導く。

 21世紀版の子連れ狼があるならば、その一場面を見ているかのようだった。午前8時を少し過ぎて、朝日が降り注ぐ成田空港。到着した航空機から一番に飛び出してきた本田の右腕には、小さな命がしっかりと抱かれていた。濃いサングラスで視線を隠し、口を固く結んだままだったが、どことなく優しい雰囲気を醸し出した。本田は父になっていた。まさに“子連れ金狼”だった。

 驚く周囲を尻目に、本田は無言で空港内を闊歩(かっぽ)した。口を開くことなく迎えの車に乗り込んだが、公式HPでは「ご報告」と題して、昨秋に長男が生まれていたことを発表。「産まれたときはシーズンの途中だったので、リーグが終わってからの報告という形を選びました」とメッセージをつづった。

 2008年7月に一般女性との結婚を発表した本田にとって、待望のジュニアは最高の援軍だ。埼玉スタジアムの練習では、この日から合流した岡崎らと、軽めの調整で疲労回復に専念。帰国前にロシアでの会見で「準備ができているのか、くどいくらい自問自答する必要がある」と語った通り、体を動かしながら、時折考え込むような表情を浮かべた。

 大黒柱の合流に、ザックジャパンの士気も高まる。ザッケローニ監督が「(敗戦の)ヨルダン戦はチャンスをつくっても決めることができなかったが、本田がいたら決定力を与えてくれたかもしれない」と期待すれば、DF長友も「食事をしながら話し合った。僕ら2人が引っ張らなかったら誰が引っ張るんだ、と。前のW杯も、世界のレベルも知っている」と喜んだ。本田と攻撃の中核を担うFW香川も「(疲れはあっても)タフですし、試合でお互いに意識してやっていけば結果は出る」と手応えを口にした。

 練習後も、無言のまま1点を見つめて取材エリアを通過。決戦に向けて集中力を極限まで高める。その表情は父親のものから、戦士のものへと変わっていた。男は守るものがあるほど、強くなる‐。

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