「全国高校サッカー選手権・準決勝、神村学園1(9PK8)1尚志」(10日、MUFG国立)
準決勝2試合が行われ、神村学園(鹿児島)と鹿島学園(茨城)が初めて決勝に勝ち上がった。ともに初優勝を懸け、12日午後2時5分からMUFGスタジアム(国立競技場)で対戦する。昨夏の全国高校総体との2冠を狙う神村学園は前半で尚志(福島)に先制を許したが、後半にFW日高元(3年)のゴールで追い付いた。1-1で突入したPK戦を9-8で制した。鹿島学園は試合終盤に途中出場のFWワーズィー・ジェイベン勝(かつ)(2年)が得点し、前回準優勝の流通経大柏(千葉)に1-0で競り勝った。
1人、また1人とネットを揺らすごとに、MUFGスタジアムのどよめきが大きくなった。両者9人目時点で8人が決めるハイレベルなPK戦は、尚志10人目のシュートがバーに当たって決着。死闘を制した神村学園が、昨夏の高校総体に続く史上6校目の夏冬制覇へあと1勝とした。
神村学園は10人全てが枠内。PKは強みと思いきや、有村圭一郎監督(48)は「ラッキーという印象しかない」と胸をなで下ろす。前日のPK練習で外しまくっていた選手が脳裏に浮かび、全員が外すことも想定していたという。DF中野陽斗主将(3年)は「心配よりみんなを信じた結果がつながった」と技術より気持ちで蹴り込んだ。
先制され、内容でも押し込まれる展開。救ったのは一皮むけたFW日高だ。準々決勝でチームメートのFW倉中悠駕(3年)が4得点の大活躍。負けず嫌いな性格から試合後は悔しさのあまり涙した。その後、気持ちを整理。「勝利を喜べなかったことを反省した」とチームの勝利に貢献することだけを考え、ワンチャンスを仕留めた。
倉中とは小学校からの知り合い。宿舎では同室だが「あまり話はしない」といい意味で心を許し合っている関係だ。大会6得点目で倉中と大会トップで並び、アベック得点王も視野に入れる。
初の偉業達成の期待も膨らんだ。11日には同校の女子サッカー部が柳ケ浦(大分)との全日本高校女子選手権決勝に臨む。過去、同県勢の男女アベック優勝は3度あるが、同じ高校の優勝となれば史上初。日高は「そこをしっかり狙う。まずは女子が先ですけど、自分たちも集中しながら決勝戦に向かいたい」とうなずく。茨城旋風だけじゃない。神村学園旋風が日本サッカーを席巻する。