森保ジャパン ブラジルに歴史的初勝利 大逆転3-2!A代表初対戦から36年 アグレッシブサッカー体現でW杯へ手応え
「国際親善試合、日本代表3-2ブラジル代表」(14日、味の素スタジアム)
世界ランキング19位の日本は同6位のブラジルに3-2で逆転勝ちし、14度目の対戦で初勝利を挙げた。0-2で迎えた後半7分に南野拓実(30)=モナコ=のゴールで1点を返すと、中村敬斗(25)=Sランス=が同点弾、上田綺世(27)=フェイエノールト=が勝ち越し点を決めた。ブラジルはW杯を史上最多5度制覇している「王国」。日本にとっては26年W杯北中米3カ国大会へ向け、大きな手応えとなった。
歴史的勝利を告げる笛が鳴ると、スタジアムは割れんばかりの大歓声で包まれた。肩を寄せ合い、抱き合う選手たち。前半の2点ビハインドから、まさにブラボーな大逆転劇。過去2分11敗の王国から“14度目の正直”で日本サッカーの新たな扉を開いた。森保監督が口にしたのは、これまでの歴史への感謝だった。
「親善試合とはいえブラジルに勝つことは簡単ではない。勝った事がない歴史の中でも、サッカー界で勝つためにチャレンジしてくださった方がいるからこそ、自分たちの結果につながった」
MF三笘、遠藤ら多くの主力を欠く苦しい状況で、敗れれば第1次森保政権以降ワーストとなる4戦未勝利だった。前半に守備が決壊し、2失点。やはり勝てないのか。悪い流れが続き、諦観の空気が生まれた。
ただ、選手は誰も諦めていなかった。「みんなが建設的に、後半どう修正したらいいか冷静に話し合ってくれた」。後半7分、ハイプレスから相手のミスを誘い南野が1点差に迫るゴール。これを皮切りに中村、上田の得点でひっくり返した。
3年前の同国との対戦では0-1とスコア上で僅差ながら、防戦一方だった。だが、今回は世界一を目指すためカタールW杯後から積み上げてきたアグレッシブなサッカーを後半以降に体現。前日会見で余裕の表情を見せた相手を焦らせた。
森保監督にとっても感慨深い1勝だ。現役時代の95年、後半35分から途中出場。0-3で敗れ「若いロベルト・カルロスら後の世界のスーパースターがいた。当時はどうあがいても力関係はひっくり返せないというくらいたたきのめされた」。あれから30年-歴史の転換点に立ち会った。
金星をつかみ、国民は熱狂の渦に包まれた。それでも「手放しで選手たちには喜んでもらいたいが、ここから恐らくマークがさらに厳しくなってくる」と、勝ってかぶとの緒を締める指揮官。目指す場所は、まだ先にある。





