土壇場でC・ロナウドの直接FK同点弾を“神セーブ”で阻止 川崎GK山口は危機を察知「GKの方を狙ってくる感覚があった」

 「ACLE・準決勝、川崎3-2アルナスル」(30日、ジッダ)

 川崎がアルナスル(サウジアラビア)を3-2で下し、同大会クラブ初の決勝進出を決めた。1点リードの試合終了間際にポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドの直接FKを“神セーブ”で防いだGK山口瑠伊(26)は危機を察知していたことを明かした。

 後半42分に1点差に迫られ、2-3で迎えた後半追加タイム、ペナルティーエリア前中央付近の絶好の位置でアルスナルがFKを獲得する。ロナウドのシュートは壁の下を抜けゴールへ一直線。万事休すかと思われた瞬間、山口が右足で反応しはね返した。両手でガッツポーズを見せてほえる山口。対照的にロナウドは両手で頭を抱えた。

 キッカーのロナウドはこの日すでに2度FKを壁に当てて迎えた3回目のFKだった。終盤のピンチにも山口は冷静に状況を分析していた。

「終盤クリスティアーノ ロナウド選手のフリーキックが多くなって、だんだん距離が近くなってきた。2回ぐらい壁に当たって上を狙っているんだろうなと思っていて、最後のフリーキックは2回失敗しているからGKのほうを狙ってくるかもしれないという感覚があった」

 読み通りロナウドは壁の上を狙わずに下を選択。見事にシュートは壁を抜けたが、察知していた山口が立ちはだかった。「自分のサイドをしっかり守って、あとは壁に任せた結果、みんなの力で止めることができた」。2年前はJ2水戸でプレーし昨季はJ1町田に移籍もリーグ戦の出場がなかった男が、大舞台で輝きを放った。

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