サッカーの天皇杯全日本選手権で浦和サポーターが暴力行為などに及んだ問題で、日本サッカー協会の規律委員会は19日、観客や選手らの安全確保のために適切な措置を講じなかったとして、浦和に対して来年度の天皇杯の参加資格剥奪とけん責(始末書の提出)の厳罰を科すと発表した。参加資格の剥奪は極めて異例。
8月2日に名古屋市のCSアセット港サッカー場で行われた名古屋との4回戦で、0-3で敗れた試合後に浦和サポーターの一部が暴徒化した。発表によると、名古屋サポーターや警備員に暴行を加えた上、相手サポーターの横断幕やスタジアムの備品を壊すなどした。警察が出動する事態となり、暴動は約1時間も続いた。
規律委員会は「日本サッカー史上、過去に類を見ない極めて危険かつ醜悪なもの」と断じた。サポーターを巡って浦和が繰り返し処分されてきたことを考慮し「これまでと同様に罰金の処分を重ねたとしても、十分な効果は得られないと考えられる」と判断した。
◆浦和のサポーター問題の経緯
▽8月2日 名古屋市のCSアセット港サッカー場で行われた名古屋との4回戦で、0-3で敗れた試合後に一部サポーターが暴徒化。ピッチに乱入し、警察が出動した。
▽3日 浦和が公式ホームページで謝罪し、計77人への処分を発表。サポーター31人に9試合、統括リーダー1人に同16試合の入場禁止などを決めた。
▽5日 浦和の田口社長が会見し「先人たちが紡いできた歴史に泥を塗る行為」などと謝罪した。
▽16日 映像確認の結果、暴力行為などの違反行為が確認された。
▽31日 日本協会は臨時理事会を開き、浦和の一部サポーターに対して17人を国内すべての試合を対象に無期限入場禁止、1人を5試合の入場禁止とした。
◆浦和への過去の厳罰 2008年にG大阪のサポーターともみ合いになった問題で、Jリーグから制裁金2千万円を科された。差別的な横断幕が掲げられた14年は無観客試合の開催となった。昨年は新型コロナ対策で禁じられていた「声出し応援」を行って罰金2千万円の処分を受けた。