日本協会が暴動の浦和サポーター18人を処分「断じて許されぬ危険行為」 17人に無期限入場禁止処分 田嶋会長「極めて残念」

 日本サッカー協会は31日、臨時理事会を開催し、2日の天皇杯4回戦・名古屋-浦和戦(CSアセット港サッカー場)において、浦和の一部サポーターがピッチ内へ乱入し、名古屋サポーター側のスタンドへと向かい、暴力行為などを行った問題で、サポーター17人に無期限の入場禁止、1人を5試合の入場禁止処分を発表した。

 「田嶋幸三ステイトメント~世界に誇れるスタジアム環境を~」との会長声明で「断じて許されぬ危険行為」とし、「17人に対する無期限の入場禁止は、浦和の試合だけでなく日本国内で行われる全ての試合(JFA主催試合に加え、Jリーグや各連盟などが主催する試合を含む)を対象としたもので、極めて厳しい決定です」と、説明した。

 その上で「レッズサポーターは日本一の規模を誇り、その応援で素晴らしい非日常空間をつくることができる、世界に誇るサポーターです。今年はJリーグが開幕して30年ですが、当時からJクラブのファン・サポーターをリードしてきました。熱狂的な応援でチームを鼓舞し、サッカーの興奮や感動を最大限に引き出してくれる集団です。今年12月に開催されるFIFAクラブワールドカップサウジアラビア2023に、浦和はアジア王者として、日本を代表するクラブとして出場します。レッズサポーターも応援に行くでしょう。各国クラブチームのサポーターと共に大会を盛り上げてくれるはずです。

 そういう素晴らしい存在であるにもかかわらず、一部の心ないサポーターによって、楽しく、ワクワクするはずの観戦環境が、暴力や威嚇、破壊行為で侵されたことは極めて残念なことです。今回の違反行為は、安全で安心してサッカーを楽しめる環境を広げていこうというサッカー界全体の取り組みを著しく阻害するものです。

 私もその時の状況を映像で確認しましたが、明らかに危険行為であり、決して看過できるものではありません。しかも、夏休みということもあって多くの子どもたちが来場している中で彼らに恐怖感や不安を与えてしまったことや、日本は女性や子ども、高齢者も安全に快適にサッカー観戦ができると世界的にも評価されているにもかかわらずこのような事案が発生したことは、痛恨の極みであり、日本サッカー界として忸怩たる思いを抱いています」と、レッズサポーターへの思いをつづり、再発防止を誓った。

 浦和は3日に対象者77人への処分を発表。当初は暴力行為を確認できなかったとしていたが、16日に映像確認の結果判明した違反行為を報告。暴力行為(警備員を押し倒したり、相手サポーターの胸倉を掴むなどの行為)12件、威嚇行為(相手ゴール裏付近で罵声を浴びせたり、挑発するなどの行為)6件、危険行為(ペットボトルの投げ込みや、相手ゴール裏に侵入するなどの行為)8件、破壊行為(緩衝柵を破壊するなどの行為)12件、その他違反行為(相手サポーターの横断幕を破損させようとする行為)2件を発表した。

 クラブは「本事案は、これまで先人が紡いできた日本サッカーの歴史に泥を塗る愚行であり、これまで多くのサッカー関係者やファン・サポーターのみなさまの努力によって形成されてきた、スタジアム観戦への好意的なイメージを傷つけてしまったことはサッカー界、スポーツ界に身を置く者として痛恨の極みでございます」と、謝罪していた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

サッカー最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(サッカー)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス