ベンゼマ 34歳にてバロンドール初受賞 公式戦46試合44ゴールと圧倒
サッカー専門誌フランス・フットボールが選定する2021~22年シーズンの最優秀選手賞「バロンドール」の表彰式が17日、パリで行われ、34歳のフランス代表FWベンゼマ(レアル・マドリード)が初受賞した。昨季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)とスペイン1部リーグで得点王に輝き、チームの2冠に貢献した。1956年に41歳で受賞した元イングランド代表のマシューズに次ぐ2番目の高齢で、フランス人では98年ジダン以来の受賞。2位はセネガル代表FWマネ(当時リバプール、現バイエルン・ミュンヘン)で、3位はベルギー代表MFデブルイネ(マンチェスター・シティー)。
レアル・マドリードで長年ロナウドの引き立て役として欠かせない存在だったFWが、34歳で文句なしの主役となった。公式戦46試合で44ゴールという圧倒的な数字を残したベンゼマは「夢を持ち続けていれば、不可能なことなんてない」と力説した。
力強いポストプレーに加え、昨季は左右両足と頭で多彩に得点を量産。特に欧州チャンピオンズリーグで強豪相手に抜群の勝負強さを発揮し、アンチェロッティ監督は「年を重ねるごとに熟成する良質なワインのよう」と表現した。
ロナウドが18年にクラブを去ると、エースの自覚が芽生えた。「30歳を過ぎてからより決定力を高め、リーダーシップを取らないといけないという野心が出てきた」という意識の変化が、得点数の増加につながった。
15年にチームメートへの恐喝に関与したとして代表から外され、その後にフランスは18年W杯で優勝。「難しい時期もあったが決して諦めなかった」とピッチで実力を証明し続け、21年に代表復帰。ベテランの域に入って最盛期を迎え、W杯カタール大会に臨む。
◆バロンドール フランス語で「黄金の球」の意味。1956年に仏サッカー専門誌「フランス・フットボール」が創設した年間最優秀選手に贈られる、サッカー界で最も権威のある賞。記者投票で決まる。当初は欧州国籍の選手のみが対象だったが、徐々に対象が広がり、現在は全世界でプレーする選手が対象。2010~16年度は国際サッカー連盟(FIFA)選定の最優秀選手と統合され「FIFAバロンドール」となったが、17年度から再び独立した賞となった。日本人では中田英寿、稲本潤一、中村俊輔が候補入りしたことがある。





