日本ツアーを行っているサッカー・フランス１部のパリ・サンジェルマン（ＳＧ）が２１日、東京都文京区の講道館を訪れ、フランス代表ＦＷキリアン・エムバペ（２３）ら選手７人が柔道体験会を行った。パリＳＧ柔道チームの五輪王者テディ・リネール（３３）も来日し、日本からはゲストとして五輪３連覇の野村忠宏氏（４７）、五輪２連覇の大野将平（３０）＝旭化成＝らが参加。エムバペが大野の得意技である大外刈りを受け、さらに大野に指導を受けながら大外刈りを掛ける場面もあった。

　自らエムバペを“指名”して大外刈りを掛け、さらに技の指導もした大野は「（柔道が）弱い強いではなく、積極的にトライしてきて、『（足の）ステップを教えてくれ』と言われた。好奇心が旺盛だなと」と世界的スターの意欲に脱帽。また、エムバペと談笑する様子もあったが、大野の柔道家らしい手を見て驚いていたといい、「『なんでこんなに指が太くなるんだ？』『痛そう、（柔道は）やりたくない』というようなジェスチャーをしていた」と笑いながら明かした。

　また、野村氏は参加選手の技を受け、「大外刈りの刈る足が強かった。受けも上手で、自然と受け身が取れていた。身体能力が高くて勘がいい」とポテンシャルの高さを感じ取ったという。

　約３０分ほどの滞在だったが、礼法から五輪王者の投げ技指南など、濃い時間を過ごしたパリＳＧ一行。大野は「皆さん受け身が上手だった。フランスで柔道が盛んな証拠」と感心し、「スポーツ本来の目的は楽しむことなので、楽しめたことが一番」。最後はしっかり礼をして、日本柔道の総本山を後にした。