サッカー元日本代表監督イビチャ・オシム氏が死去 元所属クラブが発表
オーストリア1部グラーツは1日、元日本代表監督のイビチャ・オシム氏が死去したと発表した。80歳。死因は明らかにされていない。6日に81歳の誕生日を控えていた。
クラブによると、アジマ夫人からグラーツのヤウク会長に訃報が届けられたという。1日は1909年にクラブが創設された日にあたり、同会長は「偉大なコーチで、クラブの最大のアイコンだった。サッカーをはるかに超えた影響力を持ち、その言葉は永遠に私たちの心に響く」などと声明を発表し、オシム氏の死を悼んだ。
旧ユーゴスラビア(現ボスニア・ヘルツェゴビナ)サラエボ出身で、現役時代はユーゴスラビア代表FWとして活躍し、1964年東京五輪では日本戦で2点を挙げた。引退後は指導者に転じ、ユーゴスラビア代表監督として1990年W杯イタリア大会で8強入り。パルチザン、パナシナイコス(ギリシャ)の監督などを歴任し、2003年に市原(現千葉)の監督に就任した。05年にクラブ初タイトルとなるナビスコ杯(現ルヴァン杯)優勝を成し遂げた。
2006年に日本代表監督に就任。07年アジア杯は4位に終わった。同年11月に脳梗塞で倒れ、監督続投は困難となり、岡田武史氏が後任に就いた。複数のポジションをこなす「ポリバレント」や「考えて走る」などの言葉を浸透させた。独特の言い回しや哲学的な表現は「オシム語録」として親しまれた。